夜景に酔う・福智山 [ 966.6m ] − 鷹取山 [ 633m ]
上野越→ 鷹取山頂(所要時間:約15分)
上野越は気持ちのいい空間が樹林帯の中にポッカリ空き、一息つきたい。
ここには
標柱
が立てられ「上野峡=2.4km 1時間・内ヶ磯=5km 1時間30分・福智山1.4km 40分」と書かれている。
目指す鷹取山山頂は0.5km 15分と案内されている。
ここで一息つきあと15分、鷹取山頂へ足を伸ばす。
鷹取山へは、この交差点を直進して、ゆるやかに登って行く。
右手は杉林、左は自然林のやせ尾根に付けられた広い道をゆるやかに登って行く。
所々に戦国期に積まれたのか、乱れてはいるものの、人工的に人手で積まれたような石垣が見え隠れする。
3分ほど登って行くと、道は右手にカーブしており、そのカーブの左手に
九州自然歩道
の標柱が立てられている。
ここを右手へカーブし、杉林の中をすぐ左へカーブしゆるやかに下っていく。
さらに道は右へカーブして登って行くが、ここにも左手に九州自然歩道の標柱が立てられている。
上野越から6、7分過ぎた頃、道は少し勾配が増し急坂となってくる。
道は左右へ蛇行しながら登って行く。
1分ほど行くと、道はY字形の三叉路となるが、数メートル上で合流する。
もともと左手に付けられていた道であったが、近道を好む登山者によって、新しい踏み跡が付けられている。
ここを少し登ると、右手に
ピンク色に着色された石
が目に付く。
ここは三叉路となっており、右折していくと幹に赤いペンキで「鳥の神社」と書いてあるが踏み跡は薄い。
山頂はここを直進し、さらに左へカーブしながら登って行く。
すぐ鋭角に右へカーブし、10メートルも登ると、左手に山頂下段の広場に出る。
ここには、城郭があったことを示す石垣がはっきりと見て取れる。
山頂は、ここより1.2メートルほど高くなっている。
山頂は南北40メートル・東西321メートルあるという。
子供もかけっこできる広い草原の平らな台地となっており、城郭の基礎石らしき平らな石が規則正しく並んでいる。
ここが鷹取山本丸跡である。
山頂は360の展望が開け、
西の方には、直方市街地が一望できる
。
もちろん、ここからは東側に一度別れた福智山の頂も見ることができる。
鷹取山城は、黒田家筑前6城の一つで、黒田節の主人公母里太平衛友信の居城として有名である。
鷹取山城は永承元年(1046)長谷川兵部卿吉武の宿老永井因幡守宗久の築城とされている。
天文11年(1542)当時の城主毛利兵部少輔鎮実は、大友氏に忠誠を尽くしていたが、一時、山口一帯を領地としていた大内氏に従がい、筑前支配をもくろむ大友宗麟率いる1万3千人の大軍に責められ落城、鎮実は降伏、再度大友氏に従うことになる。
戦国末期になると、九州の二大勢力、大友と島津の対立が激しくなり、島津に属する秋月(古処山城主)・杉(龍ヶ岳城主)に領地を取られ、 兵糧米が不足し餓死寸前のところを、大友に属する立花道雪(立花山城主)の援助で、危機を脱したともいわれる。
元和元年(1615)年、筑前の名城の一つに数えられたこの城も、一国一城の令により廃城・破却され、残念ながらその城郭を見ることは出来ない。
山頂で戦国の歴史の香りを感じながら下山、まずは上野越へ往路を引き返す。
上野越まではゆっくり15分で着く。
ここから左折し帰路をとる。 左折し、杉林の中を下って行くと、足元には笹が目立ってくる。
杉林の中は、日はとざされ薄暗い。
道は粘土質の赤土で、雨後は滑りやすく用心して下っていく。
上野越から2分も下ったところで、道は滑りやすくなっているが、左手に新しい踏み跡が作られている。
すぐ左手に標柱を見ながら杉林の中を下っていく。
杉林の中は、伐採されているせいか、道は広く空間も広がり、うっとうしさは感じられない。
しかし、日は届いてくれず、シャッターもなかなか切れない。
道には小石が次第に多くなるが、登山者にしっかしっかり踏み固められ、歩くのに支障はない。
杉林の中を6、7分、大きな変化を見ることなく、小石混じりの赤土の道を蛇行しながら下って行く。
途中、道は急に狭くなるが、すぐ元の広い道に変わる。
薄暗い杉林の中は、シャッターを押すのに勇気がいる。
しばらく、石混じりの歩きにくい道を下っていくと、
木製の丸太の階段
が現われる。
7段・20段・6段・26段と途切れ途切れに続いている。
階段が終わるころ、左手に
九州自然歩道の標柱
が立てられている。
三叉路から、既に25分前後下っている。
石混じりの道を、2分ほど行くと
擬木の車止め
が設置されている。
その先に赤い屋根の東屋が見えてくる。右手には木製のベンチも置いてある。
ここが国定公園・自然休養林の
蕨野休憩所
になっている。
東屋は頑丈そうに作られ、東屋の中心部に太い一本の支柱が立てられその基礎石から屋根の四方角に斜めに梁が延ばされ、さらにそこから、 屋根の突端部軒下の基礎部へ斜めに伸ばされている。
道は、この東屋の右手を直進すれば、すぐ林道に出会う。 左へカーブし、その東屋の左手を通って行ってもすぐ林道に出会う。
東屋の左手に過ぎると、地図が刻み込まれた大きな案内板が倒れている。
そこを過ぎるとすぐ小石混じりの林道に出会う。
途中アスフアルトになるが、すぐ砂利道になる。
この林道を4、5分、橋を渡るとすぐその正面に北九州自然休養林の大きな標示板が立てられている。
ここから左手へ少し行くと大塔分かれに着く。
ここから右折すれば、大塔の滝を経て福智山へ行く。
登山口へは、左へカーブし往路を帰る。
大塔分かれには次のような福智山水源林の案内板も立てられている。
福智山水源林
この流域一帯は、みどり豊かで清らかな水の源泉であり、また市民のレクレーションや教育の場所として優れていることから、 平成7年、林野庁から、わが国を代表する「水源の森百選」の一つとして認定された森林です。
<管理者 直方営林署>