バカ尾根を経て火口壁を行く・阿蘇高岳[1592.4m]
登山口(仙酔峡駐車場)(ピーク経由)〜道標(25分)
国道57号を南の折れ、仙酔峡道路を6kmほど行くと終点に着き、仙酔峡駐車場に着く。
駐車場には仙酔峡インホメーションセンターやトイレが設置され、身支度を整え南側避難小屋手前から左手へ木橋を渡っていく。
橋の入口左手には「登山者の皆さんへ」と注意書きされている。
登山者の皆さんへ
これから登山される方は、必ずインホメーションセンターでご記名の上、ご登山ください。 なお、インホメーションセンター内の登山上の注意書きも読まれてご登山お願いします。
<熊本県緑化推進委員会>
この橋は「花酔い橋」と味のある名が付けられ、登山はこの橋を渡って始まる。
避難小屋右手には石段が目に入るが、石段は帰路下ってくることとする。
橋の中途から右手に目を上げると、左手に
鷲ヶ峰の岩峰群
右手に高岳の鈍頂が青空に映える。
目を引くと、高岳へ伝う尾根が延びる。
この尾根こそ高岳へ導くドラマチックな道となる。
橋を渡りきると、正面に説明板が立てられ火山ガスについて注意書きされている。
すぐ左手北の方へ、舗装道路を登り、右手へ回り込んでいく。
左手角には、阿蘇中岳火口・仙酔峡周辺の案内板が立てられ背後には、真っ白い仏舎利塔が目を引く。
さらに、10メートルも進み右手へ鋭角に回り込むと、南側正面に目指す高岳が北斜面の全容を見せてくれる。
右手には、駐車場の奥にインホメーションセンターが、その左手にトイレを見る。
少し行くと、左手のミヤマキリシマに隠れるように、腹の大きい布袋さんやユーモラスなお地蔵さんが飾るように置かれている。
辺りにはミヤマキリシマが多い。
左手へ石段を10段余り登り、さらに14、5段登るとT字形の分岐になり右折していく。
10メートルも行くとまた石段になる。
10数段登りゆるやかに下って行くと三差路に着く。
正面には、木製の案内板が立てられている。
登山者の方へお願い
中岳河口付近を通過される際は火山ガスにご注意ください。また、火口周辺は立入規制がかかる場合がありますので事前に確認してください。(なお、喘息・気管支疾患・心臓障害をお持ちの方は火口見学は禁止となっております。) 立入規制の確認は阿蘇町役場(0967−32−1111)
または一の宮町役場(0967−22−3111)まで
<阿蘇山遭難事故防止対策協議会>
さらに左手へ石段を登っていく
。
この石段は長い。傾斜もゆるやかではない。
途中足を休め正面に目を上げると、鷲ヶ峰の岩峰が横一列に並んで見える。
足元の石段は、念入りに舗装道路用のレミファルトが流されている。
3月下旬、斜面を覆うようなミヤマキリシマを、さらに包み込むようなカヤトは刈り払われ、多くの人が開花を待ち焦がれる。
足を休めたら、さらに石段を登っていく。数えると150段を越える。
さらに20数段と続く。
長い石段を登りきると、鷲見平に着く。
正面には高岳遭難者合同慰霊碑の木柱が、数メートル右手には登山者記帳所が設けられている。
ここで一息つき、慰霊碑の横にあるコンクリートのベンチで足を休め、北側へ目を向けるとまた階段が伸びる。
高岳を目指す前に一寸寄り道したい。
石段は、辛抱して登ると70数段を数える。
さらに右手へカーブし舗装された道を登ると、左手岩上に
立派な石像
が置かれている。
他に慰霊碑・追悼碑等石碑が至るところに建てられている。
石碑には、不幸にして散った岳人達への想いが刻まれている。
尾根の北端にも石像が立てられている。
石段を下りその北端に行くと、ここでも岩上を埋め尽くすように石像が安置され、そのほとんどが鷲ヶ峰の方に向いている。
胸の痛みを押さえながら、北端に立てられた「北外輪山」の説明板を見て目を上げると、横一線に稜線を伸ばす外輪山の背後に九住連山が静かに横たわっている。
九住連山の左手には、涌蓋山も姿を見せている。
恐る恐る南側へ振り返ると、鷲ヶ峰の林立する岩峰群に心で手を合わせてしまう。
目を少しばかり右手に移すと、足元から高岳に伸びる尾根がはっきりと見て取れる。
この
尾根を登って高岳を目指す
。
さらに、右手へ写すと、仙酔峡駐車場やロープウエイ乗り場が眼下に一望できる。
さて、気持ちを落ち行け鷲見平へ戻る。
左手には阿蘇登山の注意事項が書かれ、高岳鷲ヶ峰登山は禁止されていると記載されており、記録だけにとどめたい。
阿蘇登山注意事項
ベテランリーダーを同伴させるなど、単独登山はさけましょう。
事前に登山ルートを確認しましょう。
装備・食料は十分準備しましょう。
記録箱が設置してあるルート入口では必ず記帳しましょう。
携帯電話はなるべく持参しましょう。
高岳鷲ヶ峰の登山は大変危険ですので登山を禁止しています。
<阿蘇山遭難事故防止対策協議会>
正面カヤトの峰を登って行くと、先端に岳人を偲ぶ歌碑や木柱が立てられている。
目を上げると、高岳へ駆け登る
溶岩の尾根
が映しだされる。
この尾根を目に焼きつけ、鷲見平へ一旦戻ることとする。
正面北側には、石像や石碑で埋め尽くされる標高:968mのピークが目を奪う。
鷲見平に戻ると、登山記帳を済ませピークの左手の踏み跡を辿っていく。
道沿いの赤い溶岩には、黄色いペンキでマークされ山頂を案内してくれる。
カヤトに覆われた道は、真っ黒い粘土質で滑りやすい。
辺りには、黒や緑の実をつけたヤシャブシが多い。
黒い粘土質の道は、ピークの斜面にあわせ右手へカーブすると小石が多くなる。
右手ピークへ目を上げると、岳人を偲ぶ木柱が目に入る。
さらに小石の道を登って行くと、仙酔尾根にたどり着く。
振り返るとピーク
突端に立つ木柱
が見える。
ここから左手へ向きを変え、いよいよ仙酔尾根を登っていく。
道は、溶岩のかけらが多く歩きづらい。
仙酔尾根は溶岩ばかりで、土道はなく高岳主稜まで溶岩歩きを覚悟し登ることとなる。
正面左手には、虎ヶ峰・虎二峰・ジャンダルム・鷲ヶ峰・鷲二峰、さらにナイフリッジと続く岩峰群が登山者を威圧するように特異な姿を見せる。
さらに、溶岩の道を行く。
溶岩の道は、歩きづらいが幸い傾斜は少ない。
溶岩には、黄色の印や、矢形の印が高岳へ導いてくれる。
そして、道なりに尾根筋の右手を登っていくと傾斜は増してくる。
カヤトの道を一歩一歩登って行くと傾斜はゆるみ、溶岩の道に変わる。
一時足を休め、右手を見下ろすと深く切れ落ち、積年の雨水の流れで色を変え一筋の線が深く刻みこまれた仙酔谷を見る。
矢印の溶岩を見て3分も登ると
道標前
に着く。