やっとの思いで、中岳へ連なる稜線に登り切ると、すぐ
が立てられ、中岳まで760mと教えてくれる。
正面左手には、特異な色彩を放つ高岳の南斜面が一望できる。
その右手には根子岳中央部の天狗岩が一際目立って見える。
一息ついて、火口壁を中岳目指し左手へ北進し緩やかに下って行く。
途中傾斜を増すが、すぐに緩んでくれる。
この火口壁は、礫岩の斜面とは大きく異なり、一歩一歩が早い。
下り切ると、左手に腐れかけた木柱が立てられ、すぐ右手にも木柱を見る。
そして左手に目を下ろすと、荒涼とした阿蘇の火口群の全貌が一望できる。
火口群の背後には往生岳や杵島岳、その左手には烏帽子岳・御竈門山、その背後に俵山を仰ぐことができる。
木柱を見ると緩やかに登りだす。
右手へカーブし登って行くと、少し傾斜を増してくる。
登り切ると、また木柱が立てられ、中岳まで380mと案内している。
一息ついて、荒涼とした光景に目を奪われながら下って行く
少しばかり下ると、中岳へ最後の登りにつく。
傾斜は次第に大きくなる。
しかし急坂ではない。
途中、一旦傾斜をゆるめ、いよいよ中岳と高岳を結ぶ主稜へ急坂を登って行く。
さらに足を休め、矢印を見ては休みを重ね登って行くと、稜線に木柱が見えてくる。
この斜面にもコイワカンスゲが多い。
そして登り切ると、正面に木柱が立てられ、中岳;50m、高岳:670m・砂千里ヶ浜1630mと案内している。
一息つき、左手に木柱を見て中岳へ登って行く。
中岳山頂は、四方に展望が開け遮るものはない。
左手には、今、登ってきた火口壁の稜線が眼下に一望できる。
そして正面眼下には、火口群、さらに阿蘇の山々が一望できる。
赤茶けた楢尾岳も眼下に収めることができる。