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福岡県の山

豊富な自然と歴史に包まれた山・高祖山 [ 416m ]

山頂 → 分岐(所要時間:約30分)

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ロープを手に登ったところが、山頂の下段の広場となる。
下段広場 を直進し上段に上がると山頂に着く。
山頂標は、その左手奥に立てられ「高祖山」と書かれている。
山頂は広く、気持ちのよい空間が広がりどこで腰を降ろしてもよい。
しかし、自然林に囲まれ展望は得られないが、 南東の方にわずかばかり稜線を望むことができる。
山頂からは、叶岳へ「高祖山自然歩道」が伸びている。
ここには、戦国の世、上ノ城として本丸が築かれていたところである。
高祖城は、1249年、原田種継により築城されたもので、今から約1200年前の怡土城の土塁等利用され築かれたという。
原田氏の祖は、940年当時、筑前を荒らしまわる藤原純友を討って軍功をあげた大蔵春実とされ、古処山の秋月氏や宝満山の高橋氏、大和町の田尻氏等も同族とされ、大蔵一族と呼ばれている。
原田氏は、戦国の世になると豊後の大友氏に常に反抗し戦に明け暮れるが、1551年山口の大内氏を滅ぼした陶春賢と手を組んだ大友氏に高祖城を攻め落とされている。 この時の城主が原田了栄である。
了栄は、その後毛利元成と春賢との厳島の戦いで、毛利軍に従い春賢を滅ぼしている。
了栄の跡を継いだ信種は、薩摩の島津につき九州征伐を図る秀吉軍に徹底抗戦を決意するが、秀吉軍の小早川隆景の来攻で、長垂山油坂の支城が破られると、信種は高祖城を無血開城することとなる。
その後の信種は、加藤清正の与力を命ぜられ、朝鮮出兵に従軍1598年朝鮮で戦死したと伝えられている。
後に、高祖城は秀吉の命により破却されてしまう。
遡って、怡土城は768年(奈良時代)13年の歳月をかけ築城され1.6キロメートルにもわたる土塁が築かれている。
この土塁は、今も高祖から高来寺にかけその面影を残している。
築城のねらいは、今津湾が一望できることから、敵船の襲来を監視することや、前線基地としての役目があったという。
さて、昼食でも取ったら往路を引き返す。

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山頂を立って4〜5分も行けば下ノ城跡に着く。
登山口は左折して往路を戻る。
体力に余裕があれば、ここを右折し高祖東谷へ向かうとよい。
右折して平らな道を少し進み、左手斜面をゆるやかに下って行く。
周囲は、自然林に日は閉ざされ薄暗い。 早々、木段が現れ13段ほど下って行く。
さらに3段ほど下ると、正面右手に記念碑のような岩が目にはいる。
すぐ、滑りやすい道を用心して下ると、16段ほどの木段になるがその左手には登山者の踏み跡が付けられている。
さらに2段ほど下るとすぐ鞍部に着く。 下ノ城跡を経って4〜5分ほど経過している。
鞍部からは、登りに変わり13段ほど木段を数えると平坦な尾根道になり、軽快に歩は進むが、明かりはなくシャッターを押すには勇気がいる。
すぐ右手へカーブし下っていくがここも滑りやすく、左手には脇道が付けられている。
道は、すぐゆるやかな下りとなり、両脇にはヒノキが道に沿って一列に植林されている。
薄暗くはあるが、見通しはきき気持ちのいい尾根筋を行く。 さわやかに流れる風も、優しく体を冷やしてくれる。
鞍部から1分も経つと、左手に 道標 が立てられ、「高祖東谷まで1.5km」、そして今歩いてきた「下ノ城跡まで0.3km」と案内されている。

道標から7〜8メートル行くと、右手に「自然はみんなのもの・・・」と同文で書かれた 案内板 が立てられている。 すぐ、左手へカーブし平坦な尾根道を行く。
道には、踏み跡が薄くなるほど落ち葉が多い。 しかし1本の尾根筋は、迷うことはない。
道標から2分も行くと、道はゆるやかに登りだすが、すぐ 傾斜は緩み ほぼ一直線に伸びている。
自然に満ち満ちた尾根筋は、例えようもなく気持ちいい。
もし、山歩きを経験したことがない人がいるとしたら、人生の大きな損としか言いようがない。
山歩きには、入場料は要らない。 天候さえよければ、それ以上の条件も要らない。
山歩きは、童心もよみがえる。 果たしてこの道は、目的地に着くのか不安もよぎる。
登りも下りも急坂もある。
時には、想像を越えるような不思議に出会うこともある。
可憐な花に心ときめき癒されることもある。
神聖な空間に、身や心を清められることもある。
山には偶然もあふれている。
それゆえ、山はドラマチックで飽くことがない。
どれだけきつくても、受け取る満足感は大きくかけがえのないものだ。
そして、仕事にも生活にも気持ちは活性化する。
もしストレスがあるとすれば、汗と共にそよ風に乗って飛んで行ってしまう。
山歩きを知らなければ、やはり人生の損としか言いようがない。
平な尾根道を行くと、右手へカーブし下りだし、13段ほど下りさらに3段ほど下って行く。
下りきると、気持ちのいい尾根道はさらに左手へカーブし5段ほど下る。
ここでも木段の左手には踏み跡が付けられ、ゆるやかに下っている。
左手斜面にはヒノキ林が広がっている。
道は、登山者を案内するように、左右にゆるやかに蛇行しながら伸び、吸い込まれるように、足は気持ちを引っ張っていく。
一歩一歩、歩くたびに後ろに流れる道がもったいなく、つい振り返ってしまう。
さらに2〜3分進み、左手に案内板を見て左右に蛇行しながらゆるやかに下っていく。
両脇には、すでにヒノキ林が広がっている。 気持ちのいい尾根道は依然として続く。

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ほぼ平らな道をゆるやかに登り、さらにゆるやかに下り1〜2分も行くと、右手に 1脚のベンチ が置かれている。
ここで休んでもいいが、歩が休ませてくれない。
ベンチからすぐ左手へゆるやかに下り、10メートルも行くと左手に道標が立てられ「高祖東谷:1.2km、下ノ城跡:0.6km」と書かれている。 道標の手前には2脚のベンチも置かれている。
しかし展望は得られない。
道沿いには自然林が多くなり、ヒノキは所々に点在している。
気持ちのいい 平坦な尾根道 はまだ続く。
しかし、ゆるやかに下っていくと、木段と同じ材料で道を横切るように溝が作ってある。
これは左手斜面に降る雨水を流すためなのか、このミゾを過ぎ9段ほどの木段を下って行く。
道標から2分も行くと左手にヒノキ林、右手は自然林、その奥にはヒノキ林を見る。
そして、右手へカーブしゆるやかに下り、少し登りさらに左手へカーブしていくとまた平らな道となる。
しかし、平らな道は10メートルと続かない。
ここを少しばかり下るとまた傾斜は緩んでくる。
右手の松の木に巻かれた赤いビニールテープを見ると、すぐ左手に四角い案内板が立てられ「自然はみんなのもの・・・」と書かれている。
さらに右手へ下ると、木段を18段ほど数える。
しかし、最後の数段はほとんど平坦で、落ち葉に埋もれはっきりしない。
右手には岩が重なり合い、その内一つは 石碑のような形 をしている。
重なり合う岩の上には、木々が生えうっそうと茂っている。
ここをゆるやかに下って行く。

尾根道を、さわやかな風を受けながら快適に下っていく。
正面右手樹間に、小さな峰が見え隠れする。
赤いテープが巻かれた松の木の辺りから3分も過ぎると、道は急に狭くなり幅は1メートルもないやせ尾根となる。
しかし、すぐ元の道幅に戻る。
1分も行くと左手から幹が伸びだしこれをくぐっていく。
ゆるやかな下りを左手へカーブして行くと、道標が立てられ「高祖東谷まで0.9km、下ノ城跡まで0.9km」と案内され、高祖東谷まで半分の道のりを終えたことを知る。
すぐ、丸太づくりの溝を過ぎゆるやかに下って行く。
気持ちのいい尾根道はまだ続く。 尾根道は、左右に蛇行しながらゆるやかに尾根に沿って下って行く。
疲れはほとんどなくなり、山歩きの素晴らしさを実感しながら、豊かな自然の変化を見せてくれる道に、無意識のうちに感謝している。
57歳になって、数10年ぶりに登山を再開し、妻と9年の歳月をかけ日本百名山登頂された医師、角田氏は「山歩き健康法」と題する書物の中で述べられている。
健康を維持し、病気を予防しさらに病気を治すため健康登山を提唱されている。
人は誰でも加齢によって体力は衰え老化していく。
しかし運動によって、筋力を維持し老化現象を遅らせることができる。
このため、酸素を取り入れ、脂肪を燃焼させる登山は誰でもできる運動であり、感動を伴う登山はさらに有用であるとされている。
さらに付け加えたいのは、登山もスポーツの一つではあるが、競争を求めないことにもある。
自分の体力に合わせ、どこででも体を休める自由があり、すばらしい展望に気持ちも満開し、楽しい昼食の時間に、心身ともにリラックスできる。
これも重要な要素と言える。
気持ちのいい尾根道を少し行くと、少し盛り上がった小山の手前から右手へカーブしていく。
すぐ左手には「高祖山登山路」と書かれた道標が立てられている。

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