尾根道を行く・金山 [ 967.1m ]
城山 → 分岐(所要時間:約50分)
1〜2分で登りきり、少し行くと右手に
古い案内板
が立てられ城山に着く。
案内板には「城ノ山:846.1m」と書かれている。
ピークと言ってもほとんど平坦で、案内板がなければ単なる通過点にしか見えない。
ここには戦国の世、神代勝利の城があった場所だと言われるが、信じられないほど狭い。
神代勝利とは「ノーヤ節」で知られ、剣術にも優れ佐賀・神埼・小城の北部に位置する、山内(二六ヵ村)の有力者三瀬一門の剣術指南となり、500人の弟子がいたとされている。
後に非凡な勝利を、三瀬城城主三瀬土佐の守宗利らの推挙で山内の頭領となり、三瀬城を本城に出城も築き「肥前の熊」と恐れられた龍蔵寺隆信軍と何度も交戦し退却させている。
さて城山を過ぎると道はゆるやかに下って行く。
コケむした岩を、さらに岩壁を下り5〜6メートルほど、平らな道を行くと再び下りとなる。
細尾根の道は次第に傾斜を増してくる。
3分ほど下ると道は傾斜をゆるめ、石の多い尾根をゆるやかに登りすぐ下り始める。
右手には金山山頂を案内するように、赤いペンキが幹に塗られている。
少し行くと
岩場
になり、左手に2〜3メートル切れ落ち、この岩を用心し下って行く。
しかし岩場を降りずに、右手へ直進するように数メートル岩上を行くと、岩場から素晴らしい展望が得られる。
東の方には、裾野を広げた金山が悠然とその姿を見せている。
眼下には緑のじゅうたん広がり、目を上げると、南側は幾重にも重なる山々の稜線が素晴らしい。
ここで目前に広がる絶景を楽しみながら一服するといい。
岩場は数人が腰を降ろせるほどの広さがあり、ここでのお茶は格別にうまい。
金山へは展望岩を少し戻り、岩場を用心して下る。
降り口は大きな岩の横に2箇所に踏み跡が付けられ、どちらから降りてもいい。
左手が降りやすいかもしれない。 岩場を降りると、さらに岩の多い急坂を下って行く。
岩をわし掴みするように根を伸ばした木や、コケむした木に目を奪われながら急坂を下って行く。
4〜5分も下ると
歩きやすい尾根筋のゆるやかな下り
となる。
少し行くと左手に
標柱
が立てられ「三瀬峠:2km 金山:1.7km」と案内されている。
道は標柱からゆるやかに下って行く。
2〜3分も行くと道は傾斜をゆるめ足の疲れが取れる。道は概ね東の方へ延びている。
このコースは、大都市の近くにありながら、人工林は全く見当たらず、豊富な自然林に覆われ、森林浴には最適で何度でも足を運んでしまう。
小さなアップダウンを繰り返しながら行くと、樹幹の間に一段と迫った金山の山容が見え隠れしてくる。
標柱から5〜6分も経つころ左手へカーブするとすぐ
三叉路
に出会う。
左手に下って行くと、花乱ノ滝へ通じている。
ここで一服、深呼吸をしながら、自然林が吐き出すフィトンチットを存分に吸えばいい。
フィトンチットを吸えば、肺は膨らみ体は軽く、さらに元気もでる。
効果は少なくても、そう思えば効果は上がる。
右手には幹に花乱ノ滝を案内した案内板がつけられている。
その幹には、赤や黄色のビニールテープが巻かれ、足元にも案内板が結ばれ、金山と三瀬峠を案内している。
そしてこの場所を「あごさか峠」と示している。
道はここを直進し平坦な道をゆるやかに登り始める。
道は徐々に傾斜を増し、歩幅を傾斜にあわせ一歩一歩踏み出していく。
道には
木の根が階段状
に伸び、木の根にはいささか申し訳ないが、その上を通らせてもらう。
急な坂ではないがしばらく登りが続くと、額ににじむ汗が帽子のつばからしたたり落ちてくる。
5〜6分辛抱して登っていくと、やっと平らな落ち葉の多い道になる。
この平らな落ち葉の道こそ、足の疲れを吸い取り、長時間の歩行の手助けしてくれる。
道はすぐゆるやかに下り始める。
僅かな傾斜を快適に下っていく。
左手にカーブしながらゆるやかに下っていくと、左手に赤い塗料が塗られた木を見て、さらに下って行く。
2〜3分ゆるやかに下ると道は登りに変わる。
道は少しずつ傾斜を増してくるが、すぐゆるやかな登りに変わる。
そして平らになった道を左手へさらに登っていく。
左手幹には
赤いリボン
が結ばれている。
ゆるやかな自然林いっぱいの道を3〜4分登っていくと、平らな小さなピークに立つ。
さらにゆるやかに下って行くと、また平らな道となる。
正面には道をふさぐように、右手から、
赤い塗料が塗られた幹
が倒れかかっている。
この木の先端に目をやると、葉も茂りしっかりと生命を維持している。
少し登るとすぐ下りとなり、正面に数本の幹を持つ大きな木の手前から、水気のない沢を右の方へ渡っていく。
道はここを直進するように踏み跡が薄く残っているが、ここは道ではなく行き止まりとなっている。
薄い踏み跡は、道を間違えた登山者の踏み跡に他ならない。
沢を数メートル行くと、左手にしっかりした踏み跡が自然林の中に伸びている。
赤いペンキが塗られた幹も目に入る。
少し行くと雨期だけに流れるような1メートルにも満たない小さな溝が道を横切り、これを踏み越えていく。
すぐ
小さなミゾ
を横切っていく。
さらに小さな沢を横切っていくと、右手に沢床と言っていいのか、幅に2〜3メートルほどの水が流れた跡のような湿気の多いところを行く。
この辺りは湿気が多く、土はたっぷりと水分を含んでおり、季節によっては靴は泥だらけになり、短かめのスパッツを用意したが方がいい。