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佐賀県の山

修験の道・順拝参道を行く・黒髪山 [ 516m ]

登山口 → 見返り峠(約25分)

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車は公園駐車場を利用することとする。公園は4月になると避寒桜が満開する。
駐車場を出て左側の石段を登ると、展望台が設置され、登山前に景色を楽しむとよい。
展望台からは、雄岩や雌岩の他、奇峰が林立するダイナミックな光景に感嘆してしまう。
展望台から下りると、左手に道標が立てられ、黒髪山まで「1.4km」と案内されている。
ここには、水場が用意され、登山後体を拭くこともできる。
さらに「乳待坊」や「黒髪山の生いたち」について書かれた説明板も立てられている。

黒髪山の生いたち
黒神山は始め、激しい火山活動によって流紋岩質の白い溶岩(石英粗面岩)を噴き上げ、 小さな火山を作っていたが、第三紀の末頃、2回目の本格的な活動が起こり、 粘性(ねばりけ)の高い流紋岩質の溶岩が押しあがってきて、 こぶの多い不規則な形の険しい山を造った。雌岩・雄岩を始め周辺の岸壁は、 噴出した溶岩流で、安山岩質の凝灰角礫岩が浸食されて出来た姿である。

乳待房(ちまちぼう)
黒髪山は、弘法大使開山ともいわれ、 本地仏を薬師如来・阿弥陀仏如来・千仏観音菩薩とする黒髪三所権現であった。 神秘的な山容をもったこの一帯は、鎌倉時代から修験道の行場として 多くの修験者(山伏たちが集まった 修験者たちの拠点を「何々坊」と呼び、黒髪山には、乳待坊・勝学坊・里坊の名が残っている。

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道は、ここから右手へカーブしアスファルトで舗装された林道を行く。
両脇はスギが植樹され、その正面には、雄岩が岩峰を見せてくれる。
少し行くと、右手に白い案内板が立てられ 「順拝参道」 と書かれている。
順拝参道は、黒髪山上宮までの道のりをそう呼ぶものと聞く。
少し行くと、道は左手へカーブし、その正面には 水場 がある。
水は岩からしみ出し、自然の水槽に溜まり、ヒシャクが用意されている。
周りには、数体の石像が祀られ手を合わせたくなる。
さらに右手へカーブして行くと、右手角には、大きな岩の下に、 10数体の石像 を見る。

右手には、小さな案内板が立てられ「黒髪山一帯は、植物採集禁止条例に制定された地域です。
植物採集厳禁=黒髪山乳待房会」と書かれている。
少し行くと、また右手に水場があり、竹筒から少しばかり流れ出ている。
水場から3〜4分も行くと、正面に道路標識のような、 登山道案内板 が立てられ 「見返峠:0.2km 黒髪山:1.0km 西光密寺:1.0km」と案内されている。 九州自然歩道の標柱も立てられている。
この他、メジロなど野鳥の捕獲を禁止する案内板等立てられている。
車道はここで行き止まり、この場所に、数台は駐車することができる。

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山頂は、右手に付けられた石段を登っていく。
左上の方を見ると、大きな雄岳が、そして右手には雌岳が雄壮に聳えている筈であるが、林に隠れ見ることは出来ない。
雄岩・雌岩には、キリシタンの若者が、かなわぬ恋とあきらめ雄岩に変身し、また恋する若者を追ってきた乙女が雌岩に変身したという悲恋物語で知られる。
石段は、左手コケに覆われた岩を巻くように左手へカーブしていく。
石段は60数段ほど数える。道には岩が多く、その岩は、セメントに砕石を混ぜ込み固めたようなもので、大小さまざまな形をしている。 そのセメント石が階段状に置かれている。
周囲は、自然林が占めているが、よく育った杉が所々に幹を立てている。
この辺りは湿気が多いせいか、どの岩もコケむしている。
石段は、乱れたところもあるが、自然石が整然と積まれたところもある。

石段を5〜6分もの登ると、岩の多い 小さな沢 を渡る。
しかし、沢は小さく気付かない。
さらに コケの多い石段 を登っていく。
石段は、登っても登っても終わることなく続く。
沢を渡り、2分も行くと、天に向かって幹を伸ばすスギが目に付く。
見上げると、右手から大きな木が倒れ、この木をくぐり、斜面に付けられた狭い石段を登っていく。
石段はまだ続く。この辺りの石段は整然と敷かれている。
石段沿いには、大きなセメント岩がコケむし、その岩をよけるように蛇行し登っていく。

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倒木から2分も行くと、石段の道を斜めに横切るような倒木に目をとられながらさらに石段を登っていく。
少し登ると正面に、大きな木が、人に見せることのない株の裏側を見せている。
道はその株をよけ、左右につけられている。
右手から廻り、左へカーブすれば 30番の標柱 が立てられ「黒髪山:0.8km 黒岳:4.7km」と案内されている。
ここを過ぎ、広い石段を登っていく。
石段を30段ほど登ると 木段 になる。
木段は、低い段差で施工され、数メートル毎に平段が設けてあり、疲れることなく登ることができる。
この木段を40段ほど数えると、見返峠に着く。
駐車場から25分ほど経過している。
見返り峠は四辻になっており、右折すれば青螺山へ、直進すれば竜門峡、黒髪山へは左折して行く。
ここには道標が立てられ「竜門峡:1.2km 黒髪山0.7km」と案内されている。
別の標柱には、「龍門1.5km 乳待房登山口:0.3km」と案内されている。
また「黒髪山の植物」と題した説明板も立てられ、ここで一息つくこととする。
展望は、得られないが、岩が多い石段の道から解放されなんとなく気は軽い。

黒髪山の植物
黒髪山は、植物が豊富でその数は千余種におよぶ。
この山は古くから聖地としてまもられていたため、 特有の植物や学術上重要なものが数多く残されている。
樹木は主意としてシイ・カシ・クスノキ・ハイノキ類などの暖地性緑広葉樹林とアカマツ林が茂る。
羊歯類のカネコシダを始め、当山特産種、分布の北限種大陸系植物、九州・本件分布唯一のものなど貴重種がある。
みんなで大切にしよう。

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見返峠から左折し歩きやすい道をゆるやかに登っていく。
すぐ左手へ回り込んでいくと、道の表土が雨水に流されたように、 U状のミゾ道 になる。
1メートルほどの土の段差には、丸太木が1本階段代わりに敷かれている。
さらに、自然石を数段登り、平坦な道を10メートル進み、右手へカーブすると 露岩 が多くなる。
道は、左手へゆるやかにカーブしていく。
すぐY字形の分岐になるが左手の踏み跡は薄い。

ここを右手へ直進すると、3メートルほど、岩を積み上げたような 岩壁 を登る。
その先は、まぶしいほど日が差し込み展望が開ける。
そこに立つと、正面東側に圧倒されるような展望が得られる。
右手に雌岩、左手に雄岩の岩峰に目を奪われる。
その間には山内町の、のどかな田園風景が眼下に収められる。
火山活動によって噴き上げられた溶岩が、その後の浸食作用によって出来たとはものとはいえ、棒立ちになってしまう。
展望台から右手へ少し下ると、ほぼ平らな道になる。

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右手に目をむけると、 スギ林 が整然と幹を立てている。
展望台から、70〜80メートル行くと三叉路に着く。
右手に道標が立てられ「黒髪山:680m 見返峠:130m 雌岩:100m」と案内されている。
山頂へ行く前に、ここを左折し雌岩へ行ってみる。
落ち葉の多い道 をゆるやかに下っていく。
道は、はっきりしており道をはずすようなことはない。
途中左手樹間に、雌岩が見え隠れする。
2〜3分も行くと天井が抜け、細尾根の岩道になる。
ここを下り、左手へ行くとすぐ雌岩手前の岩場に着く。

岩場のすぐ手前は、道が狭いうえ、足元が悪く用心して岩場へ向かう。
岩場では、突然突風が吹くことがあり帽子はしっかりかぶったがいい。
岩場を用心して登って行くと、地蔵菩薩か観音菩薩か、二体の石像が静かに安置されている。
雄岩の先には青螺山 が望まれる。
ここからも山内町の田園風景を眼下に見ることができる。
さらに進むと、岩は、直角にきれ落ち、岩場を引き返す。
もし「危ない」と思えば早めに退いたほうがいい。

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三叉路へ向かう途中には、数本の木が倒れ、土まで持ち上げ 株の裏側 を見せている。
三差路に着くと左折していく。
少し下り歩きやすい平坦な道を14〜5メートル行くと、土が固まったような柔らかそうな岩道になる。
コケに覆われた岩は、歩きやすいように、階段状に掘り込まれている。
ここを登り右手へカーブすると、岩をくり抜いて造ったような 岩壁の間 を登っていく。

すぐ左手へカーブし木段を1段登り右手へカーブし 斜面に付けられた狭い道 を行く。
左手には、自然林の中にスギも目に付く。
斜面の道を少し行くと、ゆるやかに下り始め岩が多いところから左へカーブし登っていく。
すぐ、斜面が崩れ落ちて出来たたような岩の壁を登る。
岩壁には、 短いロープ が付けられ、ここを登ると、少し狭いが歩きやすい平らな道になる。

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平らな道を少し下り、岩の多い沢を渡る。
沢には水の流れは見られない。
ここを渡ると、すぐ右手へカーブし岩道を登っていく。
岩道はY字形に分かれるが、どちらを行ってもいい。
足の向くまま右手を取り、数メートル登るとまた左右に分れ、ここを左へ登ると道は合流する。
正面には、大きなスギが根を張り出しここでも道は二つに分かれる。
ここを右手に取り、その根に助けられ登ると、道は1本になる。
さらに岩道を登っていく。
この辺りは道にあるものすべてが岩ばかりで、一歩一歩に時間をかけ足場を確かめながら登っていく。
岩道を左手へカーブすると、道はまた2つに分かれどちらを行ってもいい。
道は、岩についた薄い踏み跡をたどるだけで、道らしいものではない。

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さらに、左へカーブし登っていく。
薄暗い岩道にはシダが大きく葉を伸ばしている。
さらに、スギの根に助けられ登っていく。
歩きづらい岩道 は、急げばあぶない。
安全優先で一歩一歩確かめながら登っていく。
この辺りが、黒髪山への最大の難所で、昔日の山伏たちも、こうしたところを好んで登ったに違いない。
そして苦行を重ねれば重ねるほど神に近づき、神の力が宿ると信じたらしい。
黒髪山山頂へは、もっと楽なコースもある。
しかし、このコースを敬遠して登ったとは言いづらい。
少し登ると、正面に岩が大きな壁を造っている。

ここを左手へカーブすると、枯れた大きな木が、道に並行して倒れ落ち、ここを逃げるように岩道を登っていく。
すぐ、右手へカーブし急坂を登れば、悪夢から覚めたように、 歩きやすい平坦な道 になる。
正面左手には大きな岩が目印のように座っている。
その岩の上には、小さな石柱が立てられ 「千手観音」 と刻まれている。

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