岩壁の道が楽しい・土器山 [ 429.9m ]
あずま屋 → 山頂(約10分)
あずま屋は、床も張られここでも腰を下ろすことが出来る。
あずま屋から展望は得られないが、東屋の前に立ち正面に
記念碑のような岩
が目につく。
右手には「自然を大切に 山火注意 この先危険」と書いてある。
その岩と案内板の間をシダをかき分けていくと、大きな岩がありそこから南側に展望が得られる。
ここからは、眼下に鉄塔を建てた日の隈山が目に入る。
その先には、広大な佐賀平野が広がっている。
九州随一を誇る筑後川の悠久の流れは、遠く有明海までおよび静かに消えていく。
岩の上で一時寝そべっても気持ちいい。
時計を見て、腰を上げ先の分岐へ戻る。
岩壁は砂質で滑りやすく、
左手に標柱
を見て用心して山頂への岩壁の狭い道へ下る。
ここから数メートルも登ると、落ち葉の道はゆるやかに下り始める。
下りきると平坦な道になる。
平坦な道を10数メートル行くと
正面は石段
になる。
石段は26段を数える。 登りきると、すぐ左手に手水石がある。
左手には大きな岩があり、その岩に立つことも出来るが展望は得られない。
山頂は、ここを直進して岩場を登っていく
。
山頂へ行く前に、右手の石段を登ってみる。
石段の右手には
「八天神社上宮 御神体岩」と書かれた説明板
が立てられている。
石段を登ると正面に大きな岩が現れる。これが御神体岩で、その足元には祠が安置されている。
以前は拝殿もあったが、台風で壊れ今はない。
二つの大きな岩の間に岩が乗っかっているが、市房山の山頂から、のこぎり尾根へ向かった所に、これに似た光景を見る。
八天神社上宮 御神体岩
北東から眺める土器山は、秀麗な三角形の神奈備(かんなび)山である。
古代にいては、こういう山は神霊や祖霊が宿るものとすて崇められた。
神奈備信仰の通例として、山頂に、神々が寄坐(よりま)す「盤座(いわくら)」と呼ぶ巨石がある。正面の大岩がそれである。
岩そのものが御神体であるので、社殿はない。
御神体岩の根元や周辺には、願い事のある人達が持って登り、諸願成就のために納めたおびただしい数の土器(かわらけ)がある。 土器山の名の由縁である。ここは又「雲取り」の異名を持つ。
昔の人は、雲は山頂の岩から生じると信じ「雲根」とも言ったが、雲は雨を呼び、雨は平地の人々に不可欠の恵みの水となる。
「雲取り」とは、その雲を取り込み、水源となる御神体山の愛称なのだろうか。
さて、石段を降り元の道へ戻って右手山頂へ登ってもいいが、左手の岩場を登って右手へ小さなハシゴを登り、
御神体岩に立ち展望を楽しむ
ことが出来るが、 説明板を読んだ後は気が引けて登りづらい。
特に「親不孝岩」の説明板に書かれた「覗きの行」を思いだす。
ここにも
木製のテーブル
が用意され、ここに腰を下ろし静かな時の流れを楽しんでもいい。
ここでは「土器」を「カワラケ」と読ませてある。
このベンチの後ろには「古賀メロディー 世界へ轟け富士登山」と書かれ、青く塗られた木柱が立てられていたが、これも今はない。
山頂へは、手水岩まで戻ってもいいが、ここから右手へ
山頂への道へ近道
を取ってもいい。
山頂への道も、狭くコケむした岩道が続く。
上宮から山頂までは4〜5分の登りとなる。
途中、岩をよけて登っていく。