岩稜を行く・田原山 [542m]
雫石〜八方岳(60分)
立て札には「雫 しずくいし 石」と書かれている。
雫石の由来はわからないが、巨大な岩壁の横に置き忘れられたような、一際目立つ緑色の岩は名前と共通する何かを感じる。
ここで小休止し、岩の多い植林地を登って行く。
傾斜は大きく、一歩一歩が次第に重くなる。
二重に巻かれた黄色いテープを見ると、正面に
白い立て札
が立てられ、赤文字で「がんばれ 鋸山の自然を守る会一同」と書かれている。
少し登ると、左手にロープが張られ、ロープに沿って右手へカーブし登って行く。
傾斜はなかなか厳しい。無理せず、小幅で少しづつ歩数を重ねていく。
道沿いには、黄色いテープが多い。
右手へカーブすると、さらに傾斜を増してくる。
そして急坂をひと登りするとやっと、正面が開け稜線に立つ。
しかし、正面南尾根に展望は得られない。
一息つき、左手へ
岩場
を行く。
右手は切れ落ち用心していく。
10m足らず行くと正面に道標が立てられ「南尾根経由山頂へ」と書かれている。
さらに、大観峰まで10〜20分とも手書きされている。
ここは、左手にも薄い踏み跡が分岐しているが、右手へ直進していく。
少し下ると路肩保護のためか、狭い道は丸太木で補強されている。
用心して丸太木を渡りきり、狭い道をロープを手に右手へ数メートル急斜面を下っていく。
そして、狭い道を行く。狭い道は所々欠落し極端に狭い。
岩の段差を降り、正面に「落石注意」と書かれた立て札を見て、その手前から右手へ
滑りやすい急斜面
を下って行く。
さらに、欠落した路面を補強した丸太木を渡っていく。
用心しながら丸太木を渡り、右手へまた
狭い急斜面
を下っていく。
下りきると、すぐ急坂を登って行く。
少し登ると「南尾根」と書かれた道標を見る。
道標を見ると、すぐ岩稜に立ち360度の絶景に思わず感嘆の声を上げてしまう。
右手岩峰には、薄い踏み跡が見られるが「この先キケンにつき立ち入りを禁ず」と、鋸山の自然を守る会の立て札が立てられ、無理せず左手
北側に迫る岩峰
を目指しヤセ尾根を行く。
ここから、いよいよ田原山の特異な岩峰渡りが始まる。
ヤセ尾根の両脇は深く切れ落ち、足場を確認しながら草木をかき分けていく。
そして左手へカーブ、潅木の中を行く。
すぐ、右手へロープを手に2〜3mの
岩壁
を登って行く。
登りきると、45度もあろうか岩峰の頂きを目指し、用心しながら四足歩行で登って行く。
少し登るとロープが張られ、ロープを手に登って行く。
岩峰を登りきり、後ろを振り返ると逆V字のヤセ尾根が弧を描いて連なる。
そして、左手へ赤いテープを見て潅木の中へ踏み込んでいく
岩峰のてっぺんとは言え、疲れが一掃されるようなほぼ平らな道を少し行くと、正面に八方岳の岩峰が目に入る。
少し行くと、突然下りだし数メートル急坂を下ると、正面と右手に
案内板
が立てられ「八方岳通り抜け大観望のコースは混雑を避けるためご遠慮ください。」とあり、ここから直進して八方岳に立つことができるがロープが張られ、立ち入りが禁止されている。
右手案内板には「大観望⇒八方岳は必ずこのコースから一方通行をお願いします。」と案内され、道標に従い右手へ鋭角に折れ急坂を下って行く。
不安定な急坂に、幹や枝に助けられながら下ると右手にロープが張ってある。
そのロープを手に7〜8mも下ると岩場になる。
岩場
を数メートルトラバースし、右手へ下って行く。この岩場にはロープはない。
しかし、ロープのようにカズラが垂れ下がっている。
そして根っ子をよけ、黄色いテープを見て下っていく。
下りきると正面に、「大観望へ」と書かれた文字板が幹に結ばれている。
踏み跡は左手にも付けられ、大観望への近道にはなるが、案内板に従い右手へ登って行く。
ここも傾斜は大きい。ロープを手に急斜面を、さらに
岩場
を登って行く。
岩場は5〜6mで登りきり、正面に道標が立てられ、直進を八方岳・右手を大観望と案内している。
八方岳への道は、鎖場を降りていく。
道標に従い、右手へ向きを変え大観望を目指し登って行く。
すぐ岩場の登りになる。
岩上に立ち、振り返ると正面に八方岳が樹海から飛び出したように、するどい断崖を見せている。
さらに直進して岩場を下り、さらに
岩稜のコブ
を登って行く。
ここには、ロープや鎖はない。
四足歩行で慎重に登って行く。
そして、岩上に立ち振り返ると、垂直に切れ落ちた南尾根の現実離れした断崖が見せる光景に圧倒されてしまう。
さらに潅木を掻き分け小さな岩を登ると、正面に
大観望
の岩峰が迫ってくる。
岩峰には鎖が垂らされ、足の力で登って行く。
左右は大きく切れ落ち、左右にぶれたらあぶない。
足場を確認しながら、用心して鎖を手に10メートル余り登ると岩峰に立つことができる。
岩上は、思ったより広く、掛け軸を見るような360度広がる絶景に酔ってしまう。
振り返ると、平頂の八方岳と右手槍の穂先のように尖った正反対の岩峰が、対になって視界を飾っている。
八方岳山頂への道
は、平頂の右手から鎖を手に登って行く。
さて、時計を見ながら腰を上げ往路を引き返す。
下りも、鎖を手に一歩一歩足場を確認し下って行く。
分岐に着くと、右手に道標を見て右手へ鎖場を降りていく。
振り返り、岩場を見ると10mほど高さを目測する。