七峰巡りがかなう・久住連山(沓掛山・久住山・稲星山・白口山・中岳・天狗ヶ城・星生山)
星生山頂 → 登山口(約80分)
星生山山頂も360度の展望が得られ、北西の方には涌蓋山が、その手前に黒岩山・上泉水の山々が南北に、眠るように静かに横たわっている。
久住連山を一望できる最後の場所で、やがて終わりを告げようとする連山との別れに、寂しさを感じながらまた振り返ってしまう。
星生崎の岩稜の向こうに、久住山が形を変えた姿を見せてくれる。 久住山と中岳との間に稲星山が、主人公のように最も
風格のある山
に見える。
沓掛山に始まり久住山・稲星山・白口岳・中岳・天狗ヶ城・そしてこの星生山と、7峰への想いを脳裏に浮かべ、 西の方へ直進し、
草原
の中へ踏み出して行く。
またいつ会えるのか、心に決めかねながらも、「また来るぞ」と誓い、濃い緑に包まれた尾根の先端を目指して快適に下っていく。
山頂から5分も下ったころ、左手足元から
西千里ヶ浜
へ分岐し下っている。 その道には、
無数に並ぶ石積み
が見える。 その向こうには、肥前ガ城が静かに横たわっている。
ここを左折して下り、牧ノ戸へ往路を帰るのもいい。
しかし、できれば自然林に包まれた森の中を歩きたい。
ゆるやかに下って行くと、道は小石が多くなる。 下りきった正面には、自然林に包まれた小さなピークが目に入る。
三叉路から、5、6分もゆるやかに下ると、深い森に包まれたこんもりと盛り上がった小さなピークへゆるやかに登りだす。
九州の山歩きでは特別珍しくはないが、久住連山では、自然林に覆われた細尾根を行くのは少なく、味わいも深い。
幅1メートルほどの細尾根を、右左へ蛇行しながら、灌木に屈し登っていく。
道の両脇には、ミヤマキリシマの他、ドウダンツツジ、ウツギ等花木も多く、春にはピンクの花が咲き乱れる。 花がない時期でも、それを思えばなおこのコースが素晴らしく感じる。
自然林に入って、4、5分も過ぎると左手へ分岐するがここでも直進する。
さらに1分も行けば目前が突然明るくなり、
沓掛山
が一望できる。
その奥には、涌蓋山も遠望できる。 ここを左に急坂を下っていく。
すぐ圧倒されるような
巨大な岩
が立ちはだかる。
しかし、道は巨大な岩をよけるように、その手前から岩の左手を下っていく。
途中、岩壁を降りるが、足の置き場を慎重に見据え下っていく。
岩場を下ると見素晴らしいササ道となる。
振り返ると、星生山から見る、こんもりとしたピークは、その姿を一変させ岩が折り重なる荒々しい岩峰の様相を見せている。
巨大な岩から3分も下った所で小さな沢を渡る。
斜面の上の方には、牧ノ戸から久住山へ行く登山道が通り、登山者の声が聞こえる。
道は沢を渡ると右手にカーブしササ道を行く。
1、2分も行けば道は左手へカーブしゆるやかに登って行く。
さらに1、2分も行けば牧ノ戸への石道に合流する。
さらに1分も行けば、
扇ヶ鼻分岐に着く
。
牧ノ戸登山口はここを右手へ下り往路を帰る。
長い行程ではあるが、7峰を踏破した満足感は計り知れない。
そして、山歩きを続けてきた人生に反省はない。