万里の長城を行く・鹿嵐山 [758.1m]
万里の長城 → 地蔵峠(約10分)
林の中を少し行くと正面が明るくなり、左手へ下っていくと岩場になる。
そこを用心して登ると、左手に展望が開け目はクギ付けになる。
コース一番の絶景に圧倒され、胸は高鳴り思わず感嘆の声を上げてしまう。
永年の浸食作用によって形成されたとはいえ、よくできたものである。
奇岩奇峰の絶景を見て「耶馬溪」と名付けたのは、江戸時代の儒学者「頼山陽」だという。
別名「万里の長城」とも呼ぶ。
ここで絶景を楽しみながら一息つくとよい。
正面の
三角形をした岩
を見て目を下げると、空洞が見える。
その空洞を左手の脇の下に見て、じっと見つめると腹や胸のふくらみ、首筋・口元それに二つの目まで見えてきて、優しそうな「ゴリラ」にも見えてくる。
その後ろには、ゴリラ岩を飾るように屏風を立てたような岩が配置されている。
右手を見ると、鉾状の奇岩が聳え立っている。
飽きることのない絶景を目前にして離れづらいが、気を取り直して腰を上げる。
岩場を直進して、
やせ尾根の岩道
を行く。
草木が茂り気付かないが、道の両脇とも切れ落ち、足元を確かめながらやせ尾根を渡っていく。
すぐ林の中へ踏み込んでいくが、もう一度振り返ってみると、ゴリラ岩はもう半分も見せてくれない。
絶景との別れに気持ちを切り替え、
林の中の狭い道
をゆるやかに登っていく。
運悪く、狭い道の真中に育った木はその根を登山者に踏まれ色あせている。
林の中を2分足らず行くと、また
細い岩場
を行く。
この岩もセメントで固めたような小石が浮いたような様相をしている。
その石につまづき、右手へ転んでしまえば大変なことになる。
気をぬかず、用心し通り抜けていく。 道はすぐゆるやかに下りだし、左手樹間に岩峰を見てさらに下っていく。
絶景の感動は次第に薄れてはいくものの、胸には空洞が膨らみ目的を失って残るむなしさや、寂しさが溜まっていくような錯覚を覚えてしまう。
さらに1〜2分も行くと「この先より本コースのハイライト」とこの道を登る登山者に
赤いペンキ
で教えている。
右手に例の無線クラブの案内板が幹に付けられ、「5合目 標高:500m」と案内している。
少し下り、右手に大きな岩を見て急坂を下っていく。
この急坂を下るとすぐ地蔵峠に着く。