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大分県の山

火口縁とやせ尾根を行く・伽藍岳[1045.3m]−内山 [1275.4m]

ピーク〜内山(35分)

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ここで、遠慮することなく一息つくといい。
そして、甘いものでも口にすればいい。
甘いものは、消化吸収が早くエネルギーが確保できる。
甘いものに含まれる糖質は、ブドウ糖に分解され肝臓や筋肉に取り込まれグリコーゲンとして貯えられる。
行動を始めると、これがエネルギーとして必要量供給される。
しかし、糖分が不足すると低血糖状態に陥りバテてしまう。
甘いものは疲れる前に、少量づつ歩行中でも口にしたほうががいい。
しかしリックに入れると、なかなか食べられない。
ただ食べ過ぎると、肝臓で脂肪に変わってしまう。
ついでに、行動中胃腸は弱っており、昼食時でも食べ慣れないものや大食いは避けたい。
一息ついたら腰を上げ、ほぼ平らな草道を行く。
すぐ、ゆるやかに下りだし、倒木を越えていく。
倒木は、幹の途中から大きな根を出したように見える。
さらに倒木を越えていく
この倒木は、幹を地面につけ、道を横断したところでさらに幹を増やし立ち上げている。
道の両脇に生える草は、線を引くように道幅だけ開け、歩くのが気持ちいい。
ほぼ平坦な道を少し行くと、道はゆるやかに登りだし、倒れ掛かった幹をくぐっていく。
すぐ先にもリョウブが倒れ掛かり、これをくぐると左手にコケむした大きな岩の所有権を、主張するように根を張り幹を立てている。
左手にはコケむした岩が多い。
なんとなく 気持ちのいい道 を少し登ると、ゆるやかに下り始める。
しかし、この辺りの登り下りはほとんど足には感じない。
落ち葉のクッションもいい。
正面樹間には、北側から見る鹿嵐山を見るような、山頂手前の峰が見え隠れする。
道沿いには、オレンジや赤く染まった葉が辺りを鮮やかに彩ってくれる。
これまで急坂もあった、不安に感じるヤセ尾根もあったが、人の人生にも似てここを歩いている今が最も幸せである。
気持ちのいい道はさらに続く。

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左手に目を向けると、眼下に別府の市街地がうかがわれる。
さらに、左手には8畳ほどもあるような平べったいコケむした岩が目に付く。
道はゆるやかな傾斜で伸びているが、ほとんど足には感じない。
この気持ちを人に譲ってやりたい、そう思ってくる。
ゆるやかな傾斜を登って行くと、左手幹に「つるみ 縦走路」と書かれた小さなプラスチックが掛けられている。
痛そうにも幹は太い針金で結ばれ、痛々しい。
正面樹間に見える三角錐の峰に、なぜか次第に愛おしい気持ちが高まってくる。
早くその峰に着きたいと、足早になってくる。
快適な道は、その気持ちに十分こたえてくれる。
少し登ると、道筋を隠すようにススキは茂ってくる。
すると正面がパッと開け、見慣れた峰が西側に全容を見せてくれる。
恋人にでも出会うような気持ちに胸は高まる。
足元にはわずかばかり地肌が見られ、ここで多くの登山者が前方に広がる光景に感嘆し立ち止まったことが分かる。
一息ついて、さらに平坦な道を行く。
道沿いには、コケむした岩が多くなる。

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道は、尾根筋を外れるように右手へ下っていく。
道にはススキが繁茂し、道はわかりづらい。
しかし、道は左手へカーブして伸び迷うような所ではない。
そして、コケむして枯れた倒木をよけるように 左手へ歩を進めていく。
愛おしい峰は、正面から次第に右寄りに見えてくる。
山頂も一歩一歩登るたびに、沈んでくる。
真っ赤に燃えるような紅葉に目を奪われながら、岩の多い道を登っていく。
正面に倒木を見ると、一瞬道を失ってしまう。
道は左手へ少し下り倒木の幹先をくぐるように、右手へ数メートル急坂を登っていく。
登りきると傾斜は収まり、頭上に赤いリボンを見てゆるやかに登っていく。
道は、さらに傾斜をゆるめてくれる。
倒木をくぐると、正面には鶴見岳が望まれる。

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左手東側眼下には別府市街地が、別府湾を背景に映し出される。
道は、右手へカーブしゆるやかに登っていく。
稜線を辿る草道は、ゆるやかに西に向かって伸びる
道沿いには、数箇所青いビニールのテープが巻かれ、山頂へ導いてくれる。
少し行くと、快適な道は次第に変化し自然の険しい神秘を帯びてくる。
右手には、倒木が根株を起こし無残にも裏側をさらけ出し、自然の厳しさが胸を突く。
辺りは、スギゴケが密生し地面を覆いつくしている。
少し行くと、また数本の倒木が道をふさぎ、その手前から左手にカーブし新しい踏み跡がつけられている。
すぐ正面に、衣を脱がされ裸になったような岩を見る。
その手前から右手へ、その右手に4畳半を越えるような大きな株が裏側を見せ痛々しい。
道は、その岩と株の間を登ると元の道に接する。
すぐ左手へ道をとる。
昔日の山伏か、仙人が出てきそうな一種禁断の地を侵したような戸惑いを感じながら踏み込んでいく。
さらに左手へ、古生代から生きてきたような幹をくぐり抜けていく。

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右手の木も、ただならぬ怪奇を感じる。
すぐ右手へ向きを変え、深緑色に染まった岩の間を抜けていく。
道は少し明かりが差し込み、怪しげな気配も薄れてくる。
道は少し歩きやすくなり、右手の岩に触れススキが生える道を行く。
すぐ、倒木をくぐり抜けていくと、「がんばれ中高年」と書かれた大平はつらつ山歩会案内板を見る。
さらに落ち葉とコケに覆われた道を、少し進みコケに染まった岩の間を抜けていく。
すると気配は変わり、小径木の中を行く。
少し行くと、山頂への目印なのか、枝に布切れが巻かれている。
道筋には、下草が地面を埋め尽くす。
道に傾斜はなく、気分どおりに距離を稼ぐ。

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布切れを見て1分も行くと、倒木が輪切りされ行く手が開かれている。
左手には「つるみ 縦走路」と書かれた案内板を見る。
さらに左手に赤いテープを見ると、枯れ木や倒木が目立ちなんとなく雑然としていく。
しかし、落ち葉の道は歩くのに支障はない。
道はゆるやかに登りはじめ、正面が明るくなる。
そこに登り着くと、正面に由布岳が全容を見せてくれる。
ここで一息つき、深呼吸でもしながら、林の中を行く。
道は、落ち葉が多く歩きやすい。
右手には、よこしま模様の桜に似た木が目に付く。
これが桜の木であったらと期待するが、それより山頂が気になる。
もう、山頂は遠くはない。
すぐ、岩の段差を登りそこから下っていく。
傾斜は大きい。下る途中正面に鈍頂の内山が見える。
さらにゆるやかに下っていく。
山頂を目前に下るのは意に反するが、幸い傾斜は少なくなる。
倒れ掛かったリョウブの木をくぐっていく。

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そして少し登ると、平坦な道になる。
道筋に草が多くなると、天井が開けススキの道に変わる。
ススキは、道を覆い隠し足で探るように歩を進めていく。
すぐ、左手に道標が立てられ、左手に「石楠花尾根 扇山」 直進は、「内山 舟底 鶴見岳」と案内されている。
扇山は、国土地理院の地図には「大平山」と書かれている。
分岐を左手へ数メートル登ると、鈍頂の内山の稜線上に由布岳のてっぺんをのぞくことができる。
さて、内山へのススキの道はまた林の中に入っていく。
そして、意に反してゆるやかに下っていく。
山頂を目前にして、なかなか登頂を許してくれない。
ゆるやかな傾斜を、気を落ち着けながら登っていく。
潅木は丈が低く、腰を折り進んでいく。
その分、足にはこたえる。
この辺りは倒木が多い。
しかし、倒木のように横に伸びた木も多い。
横に伸びた木は、垂直に枝を伸ばしている。
さらに幹をくぐっていく。
腰を落としてくぐり抜けるのがつらい。
力を抜いてくぐれば、リックが引っかかりなおつらくなる。
道はゆるやかに登りだし、赤いテープを見ると正面が開けてくる。
すぐススキ道になり、道を足で探りながらかき分け登っていく。

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正面には一歩一歩登るごとに、鶴見岳が大きな山体を見せてくる。
ススキを掻き分け少し行くと、左手にシンボリックな数本の木と岩が目印のように待ち受けている。
その木と岩に向かって、左手へ登って行くとこんもりとした内山山頂に着く。
山頂標はミヤマキリシマの中から顔だけ見せ「内山 1275・4m S・H・C別府」と書かれ、先が赤い木柱も立てられているが、ミヤマキリシマに隠れ読み取れない。
さらに2、3メートル下ったところにも2本の木柱が立てられているが、大きい方は腐れも字はない。
展望は実に素晴らしく、左手東側に別府市街地、右手に目を移すと鶴見岳、右手南西の位置には由布岳が大きな山体を見せてくれる。
由布岳の斜面中央部には、大きく崩壊した下部に砂防堤が幾重にも築かれている。
伽藍岳から見る由布岳とは角度も異なり、大きく迫力を持って登山者を圧倒する。
やはり、遠く内山まで来てよかったと心底から満足して、時が経つのをわすれてしまう。
石楠花尾根を登り、内山から舟底を経由し鶴見岳を目指す一人の頼もしい女性の姿が、いつまでも記憶に残る。
さて、ゆっくり山頂を楽しんだら往路を戻る。
帰路は温泉が何よりいい。

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