岩道を行く・吾妻岳 [ 870m ]
標柱 → 山頂(約35分)
木段を6段ほど登って左手へカーブすると、正面に標柱が立てられている。
標柱には「山頂まで400m」と案内してある。
ここがコースのほぼ中間点になる。 ここで一息つくとよい。
しかし距離は半分でも、これから急登が続く。
標柱から右手へカーブするとまた木段になる。
木段を登り、後ろを振り返ると南東の方に
九千部岳が大きな山体を見せてくれる
。
その左手奥には平成新山も遠望できる。
岩が多い
急坂
には、木段が付けられ、4段・3段さらに5段と続く。
木段は、小石の中に埋もれた状態にあり、小石に滑りやすい。
道は左右に鋭角に蛇行を繰り返し登っていく。
さらに大きく右手へカーブし、途切れ途切れに16段ほど数える。
16段目辺りに、右手の岩が張り出し、
その岩を避けるように、土壁との間を抜け
、右へさらに左へカーブし登って行く。
さらに木段は2段・2段と続き、斜面を横切るように蛇行し、急坂を登っていく。
木段の急坂はまだ続く。
3段・1段、左手へ登りすぐ右手へカーブする角に3段、数メートル登って1段と間隔を置いて続く。
道に張り出す岩から、3分も急坂を登ると2段、8段、さらに岩の段差を登る。
左手へカーブし、また岩の段差を登って
木の根に足をかけ登って行く
。
木段は岩が多い斜面に、4段、さらに1段と続く。
この辺りで木段は、登山口から100段を超える。
しかし、連続していないため疲れは少ない。
阿蘇外輪山の一角にある、高千穂野を目指して清水峠から登ると、連続して300段を超える木段もある。
無理して数えてみたが意味はない。
数えれば登山の楽しみは半減する。
しかし、意味は全くないではない。
数えることに熱中すれば、時の経過や疲れも薄れ、いつの間にか高度を稼いでいる。
しかし、奨めたものではない。
それより、足が重たくなれば、随時足を休め、林に漂うフィンチッドを思いっきり吸えばいい。
さらに岩の多い急坂を登って行く。
道に張り出した岩から7〜8分も登ると、正面に大きな岩が積み重なり、その手前から、
右手へ岩道を登って行く
。
この岩道を少し行くと、歩きやすくなるが傾斜はゆるんでくれない。
正面にも大きな岩が居座り、その岩をよけるように右手へカーブし岩道を登って行く。
左手に、また大きな岩を見て、段差のある岩を登り左手へカーブする。
吾妻岳山頂への道は、どこを切っても岩ばかりで土の感触がない。
この辺りも岩ばかりで、目は足元に奪われ周辺を見渡す余裕すらない。
左右に蛇行しながら急坂を登って行く。
岩は、道ばかりではなく、林の中に目をやると岩が折り重なっている。
大きな岩も目につく。
そして右手へカーブし登って行く。
岩道は連続して続く。
正面には岩が石垣のように積みあがり、その手前から左手へカーブすると、右手に3畳ほどの
平らなテーブルの天板のような岩
を見て登っていく。
さらに右手へカーブし岩道を登っていく。
テーブル岩から1分も行くと、正面には、
巨大な岩壁
が立ちはだかっている。
この岩壁の前に立ち、一瞬行き場を失うが、道は岩壁の手前から右手に、しっかりと踏み跡が伸びている。
巨大な岩壁を左手に巻いて、岩道を登って行く。
右手樹間には、時折九千部岳が見え隠れする。
巨大な岩壁から、2、3分も過ぎると左手に思いもよらない赤い鉄製の階段が付けられている。
その右手には同じような階段が錆びついた残骸が残っている。
その階段を登ると岩の合間に枯葉が多くなる。
少し行くと、
左手に枝を広げる木
に触れ、正面の大きな岩の手前から、左右に行く。
この辺りの岩は、コケが多くなってくる。
岩道を辛抱しながら歩を進めると、岩は少なくなり傾斜もゆるんでくる。
正面には、岩道の出口のような、二つのコケむした岩の間を抜けて行く。
すぐ正面が明るくなり、気持ちのいい平坦な草地に出る。
正面にまた
木製の鳥居
が現れる。気持ちのいい草道はまっすぐ伸び、鳥居をくぐると道はすぐ右手に分岐する。
そこには標柱が立てられ、右折すれば吾妻岳山頂と案内され、標柱に従い右折し登って行く。
山頂への道は狭く、枝も張りだし、身を縮めさらに頭を下げ登って行く。
1分も登ると、天井が抜け明るくなり、正面左手に立派な山頂標が立てられている。
山頂標には「吾妻岳:869.8m」と書かれている。
山頂標の後ろには、林の中に隠れるように小さな立て札がある。
山頂には、わずかな空地があるが、全く景色は得られない。
一息ついたら、先ほどの分岐に戻り右手に草道を行くとすぐ広場に出る。
広場
右手には、2台のベンチが用意されている。
ここからは橘湾が一望でき、ゆっくり休息するといい。 昼食を取るなら山頂よりここがいい。
ここには、九千部岳周辺の植物と題した説明板が立てられ「ウンゼントリカブト」「ウメバチソウ」「リンドウ」など説明されている。 さらに九州自然歩道の案内板が立てられ、次のように書かれている。
帰りは岩道を用心して往路を戻る。
登りたらなければ、近くの鳥甲山を目指せばいい。
この場所は、橘湾から東西に走る日本でも代表的な活断層の北壁断層に位置しています。 愛野展望台〜弘法原〜鉢巻山〜吾妻岳〜鳥甲山へ続く高さ100m〜270mにも及ぶこの断層に沿って多くの火山が活動し、現在の島原半島の地形が形作られました。
ここから70m先には吾妻観音が祀られています。
<環境庁 長崎県>