霧立越えを行く・向坂山 [ 1684m ]・白岩山 [ 1648m ]
ゴボウ畑登山口〜向坂山(50分) [ この区間の地図 ]
向坂山から南へ扇岳へと続く稜線を辿るルートを霧立越と呼ばれ、椎葉の人々の生活道として使われていたという。そのためか踏み跡はピークを反れ、どこまでも水平道が続く。
この道は、昔日平家の残党が逃れた道であり、これを追って源頼朝の命を受け那須与一宗高の弟、那須野大八郎宗久が通った道とも言われといる。
さらに、西南戦争で敗走する薩軍も通ったと言われるが、西郷隆盛はどうかはっきりしない。
ゴボウ畑登山口には、5〜6台は止められる空地がありここからスタートする。
登山口には道標が立てられ、行く手を「扇山山小屋:8900m」後方を「カシバル峠:500m」と案内され、支柱には「ゴボウ畑」と食材を思い起こす名が書かれている。
ここから登山道を登れば「杉越」とも呼ばれる白岩峠に通じる。
しかし、この道は帰路に譲り未舗装の作業道を直進して行く。
ゆるやかな傾斜を登って行くと、右手から沢を流れる水の音が次第に大きく聞こえてくる。
右手沢に目を下ろすと、コンクリートのヒューム管から勢いよく水が流れ出ている。
道はすぐ右手へカーブして伸び、左手には竹筒から程よく水が流れ出ている。
飲むには自信がないが、下山後体を洗うには丁度いい。
少し行くと、道は左手へカーブしゆるやかな傾斜を登って行く。
辺りには大木が多く、正面に林の中から飛び出たように伸びる一際目立つ大木が目を引く。
そして右手へカーブし登って行く。
少し行くと、右手はヒノキの植林地になり、左手は自然林に覆われているが、その奥の方にも植林地が広がっている。
正面には、向坂山へ連なる稜線が見えてくる。
右手眼下に目を下ろすと、スキー場のリフト乗り場や、数箇所の駐車場が見える。
さらに左手へ、すぐ右手へカーブして行くと
正面にゲレンデ
が見えてくる。
右手に広場を見て、道は建物の手前から左手へ折れ、すぐ右手へ向きを変えると
正面に時計塔
が見えてくる。
後ろ側には「樹氷の鐘」と書かれた鐘が下げられている。
正面時計は止まっているのか、正確な時刻は指していない。
すぐそばには道標が立てられ、行く手を「扇山山小屋;9800m」直進して下れば「松木登山口」と案内している。
さて、一瞬と惑うが向坂山・扇山への踏み跡は見られない。
思い切って草スキー場を左手へ登って行く。
傾斜は見た目以上に大きく、途中足を休め登って行く。
そして振り返ると、やはり傾斜は大きい。
一息ついて登りきり、右手縁へ進むと階段状の踏み跡がある。
そこを数メートル登り、正面に水源かん養保安林の標識を見て、林の中へ踏み込んで行く。
初めての登山道に気は楽になる。
道は、目指す向坂山へ続く尾根筋に付けられ、しっかりと踏み固められ踏み外すようなことはない。
ゆるやかな傾斜を少しばかり下って行くと倒木が行く手をふさぎ、リックに気を配りながら深く腰を落としこれをくぐって行く
倒木を過ぎると道はゆるやかに登りだし、小石が多くなる。
しかし歩くのに支障はない。
少し登ると、傾斜はゆるんでくれる。
そして、ほぼ平らな道を10mも行くと
左手に大木
を見る。
道は少しづつ傾斜を強め、目を先に向けると
木段
が見えてくる。
しかし大きな傾斜ではない。
木段は既に腐れかかり、一部脇道が付けられている。
傾斜はさらに増すが、草スキー場ほどではない。
一呼吸おいて少しばかり登ると傾斜はゆるみ、10mも行くとまた傾斜を増し腐れた木段になる。
さらに2〜30mも登ると傾斜はゆるみほぼ平らになる。
右手に倒木の株を見て一歩一歩、歩を進めていく。
辺りは自然林に覆われ展望はないが、気分はいい。
足には感じないほどの、ゆるやかな傾斜を登って行くと正面が明るくなる。