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宮崎県の山

神の山を仰いで・霧島連山縦走

獅子戸岳〜中岳(1・7km:70分)

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獅子戸岳山頂は20坪ほどの空地が踏みならされ、ひっそりとして落ち着く雰囲気を見せている。
左手には木柱が立てられ標高:1428m、正面行く手を新燃岳・高千穂河原、後方を韓国岳・えびの高原と案内している。
さらに左手は大幡池・夷守岳と案内している。
正面真南には、標高差は、足元より10mほど低い新燃岳の大きな火口がわずかに見える。
さらに、 高千穂峰 が新燃岳のススキの斜面に霞むように美しい姿を見せている。
振り返ると、登路大きく悩ませた岩塊の韓国岳が、潅木越におわんをかぶせたような穏やかな山容を見せている。
ここで適当に腰を降ろし、小休止して次に目指す新燃岳を想い浮かべる。
さて、一息ついたら重い腰を上げ新燃岳を目指し直進していく。
前方右手には、尾根筋を這い上がるような岩が目に入る。
少し行くと、道は幾筋かに分かれ足場を見て下っていく。
道は、すぐ取り残された陸の小島で二手に分岐し、一瞬迷うが右手を取れば木段を5〜6段下っていく。 
木段は、小石に埋まり傾斜は小さいが滑りやすい。
足元の道は、新燃岳との鞍部に向かって落ち込み、V字を切るように新燃岳の急峻な斜面を登り返す。
その斜面には一条の山道が駆け登り、目を上げると新燃岳火口縁が横一線に見える。
足元に目を戻し、ガレ場のような岩の多い急斜面を小さくジグザグを切って下っていく。
不安定な岩道には、木段が付けられているが十分機能を果たしていない。
急峻な道は、樹林帯のV底へ一機に下り落ちているが、足は容易に進まない。
一歩足を止め右手尾根筋に目を移すと、斜面を這い上がるような岩は、眠たそうな 亀かムツゴロウのように滑稽な姿 に映る。
この岩が獅子戸岳山名の由来となった獅子岩とは思えない。
途中右手へ向きを変え下っていくが、一歩一歩に手間取る。
岩道は、次第に小石の道に変わりさらに滑りやすく、薄い踏み跡を探すように慎重に下っていく。
V字底は、まだ先に見える。

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用心して下って行くと、傾斜はゆるみ草木の中へ踏み込んでいく。
道には小石が多く傾斜ほど距離は伸びない。
しかし、一歩ごとに傾斜はゆるみ、ほぼ平らになると 正面右手に木柱 を見る。
ここは十字路になっており、木柱には右手を[新湯]、左手を「大幡池」、側面には後方を「獅子戸岳:0・4km」、行く手を「新燃岳:1・3km」と案内されている。
後ろを振り返ると展望が開け、難儀して下った獅子戸岳斜面が一望できる。
亀かムツゴロウに見えた岩も、単なる岩の突起としか見えない。
ここから真南に見る斜面は、獅子戸岳から見えたほど急峻な角度には見えない。
一息ついて新燃岳を目指し、快適な道を直進して行く。
快適な道は少しづつ傾斜を増し、3〜40mも行くと軽石のような小さな空洞がある小石が多くなる。
小石は、登山者によって角が取れ丸く削られている。
少し登ると、小石の中には岩も多くなり、次第に傾斜を増してくる。
辺りには、潅木の中にミヤマキリシマが多い。
花時、一息入れれば疲れは生じない。そんな思いが伝わってくる。
時折、ズボンを引っ掛ける野バラも多い。
鞍部から10分も登ると正面が開け、広い草原になる。
後ろへ振り返ると、獅子戸岳の急斜面が大きく視界に広がり、あえぎながら下った想いが、今では美しい自然の光景として想いを寄せてしまう。

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さらに左手へ目を移すと、獅子戸岳の背後に遠く韓国岳が美しい姿を見せている。
ススキ原を少し登ると、新燃岳の北壁に立つ。
正面右手には道標 が立てられ、左手へ「高千穂河原」と案内している。
右手は、新燃岳火口縁を回る西コースが延びるが、「この先、危険につき通行できません。」と書かれた案内板が立てられ、立入禁止のロープが張られている。

登山注意
この付近は、火山観測情報が発表されています。新燃岳(噴火口)の活動が活発になっています。新燃岳噴火口には近づかないで下さい。
平成18年2月  霧島市


さて、期待を膨らませていた火口に目を下ろすと、期待通りの鮮やかな水面に目を奪われる。
天候や太陽の位置でも大きく影響され変化する様々な色は、一つの言葉では表現し難い。
もちろん、今見る色を表現する言葉も見つからない。
エメラルドグリーンと耳にするが、色調はもっと深く吸い込まれそうになる。
水面に向かってもっと近づきたくなるが、足元は大きく切れ落ちあぶない。
この水面を見るのが目的ではないが、期待通りの光景に満足して余りある。
火口壁には所々白い噴煙が立ち上がり、辺りには硫黄の臭い漂ってくる。
行く手南側には、火口壁に 高千穂峰山頂 がちょっぴり見える。
一息ついて、左手へゆるやかに下っていく。
目は、踏み出すごとに右手火口へ向いてしまい、つい記録を忘れ、後ろを振り返り状況を後書きする。
中ほどまで下って行くと、小石はなくなり歩きやすくなる。
下りきると、ゆるやかに登りはじめまた小石が多くなる。
さらに、火口を見て登って行く。
火口から目を放し、正面に目を上げると一歩一歩踏み出すたびに、 高千穂峰 が大きく姿を現してくる。
左手には、広大なススキ原が広がり、大海に微動する波のように白い穂が揺らめいている。
さらに、小石の多い火口壁を登って行く。
道は右手へ弧を描くようにカーブし、徐々に傾斜を増してくる。

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さらに右手へ小石の道を登ると新燃岳山頂に着く。
新燃岳火口を鮮やかに彩る花びらのような水面に、見るたびに幾度となく感嘆の声を出してしまう。
目を上げると、800mにも及ぶ火口を抱く霧島連山の主峰、 韓国岳 が大きくそびえて見える。
右手には、獅子戸岳が韓国岳に圧倒されるように小さく見える。
振り返ると、南側に高千穂峰がさらに鮮明に御鉢の輪郭を見せてくれる。
目を引くと、目指す最後の中岳山頂が、始めてその全容を見せている。
火口縁から少し下がった所に山頂標が立てられ「中岳:九州自然歩道」と書かれている。
そして、今一度水面を見て新燃岳を後にする。
足元は、板状に加工された 木段 が延々と下り、さらに中岳へ向かって一条の筋が白く輝いて見える。
その一条の筋に向かって、終わりのないような木段を下り始める。
80数段下ると右手に九州自然歩道の木柱が立てられ、行く手を中岳と案内してくれる。
さらに広大な ススキ原を貫く木段 は、果てしなく続く。
振り返ると、感動を与えてくれた新燃岳は、地平線の彼方に低く見える。
正面には、少しづつ姿を変える高千穂峰が目をひきつける。
ススキ原を通り抜けるわずかな風が、ススキの香りを残しては消えていく。
ススキ原には、ミヤマキリシマも点在する。
さらにリンドウも岩の隙間やわずかなススキの隙間に花を咲かせている。
木段を550段も数えるころ、木段は木道に変わり傾斜はゆるんでくる。
10mも行くとまた木段になる。

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さらに130数段も下ると、ほぼ平らな鞍部に着く。
右手には、道標が立てられ「中岳:0・5km 韓国岳:8・2km」と案内されている。
左手には テーブル も置かれ、時間があれば一息つきススキ原を流れるそよ風に体を預け、時の流れが止まることを一瞬願う。
そして、とろけそうな我を取り戻し、ススキ原を背に直進し平らな小石の多い道をゆるやかに登って行く。
そして振り返り、体を預けたススキ原に目を戻し、視界を埋め尽くすような広大な小麦色の世界に、今一度溶けてしまいたい、そんな甘い気持ちを感じてしまう。
登山は、山頂に立って見る景色に酔うばかりではない。
自然が見せてくれる変化にそのまんま気持ちを預け、感傷的な気分に浸るのも悪いものではない。
ゆるやかな小石の道を100mも登って行くと、また長い木道になる。
木道は、傾斜にあわせ歩幅を調整しやすく歩きやすい。
木道を2分余り登ると また木段になる。
木段をすぐ右手へカーブし80数段を数えるころ、高千穂峰が山頂部から少しづつ山容を見せてくれる。
さらに40段も登ると登りきり、左手へ向きを変えほぼ平坦な道を中岳へ足を向ける。
すぐ 右手に木柱 が立てられ、行く手を高千穂河原と案内している。
少し行くとまた木柱を見る。
正面に高千穂峰を見ながら快適な道をゆるやかに登って行く。
途中、道は二手に分かれるがどちらを取ってもいい。
快適な道はゆるやかな弧を描き左手へカーブして伸び、正面の小高い丘陵に向かって伸びる。
この辺りは、ススキに覆われ木一本ない。
例年、野焼きでもされているのか、ススキ原も放置すれば登山口付近で見た赤松林の中のススキのように植生は変わってしまう。
しかし、今はススキの野を流れるそよ風を受け、一歩一歩から伝わってくる自然の感触にただ感謝するばかりである。

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正面に高千穂峰を仰ぎ見て、車も行くような広い快適な道を行く。
中岳山頂は前方右手の稜線上にある。もう遠くはない。
快適な道に気持ちはのんびりと、登山を忘れてしまう。
少し行くと、道は右手へカーブして行く。
高千穂峰の爆裂火口も少しづつ見えてくる。
足にはほとんど感じないゆるやかな傾斜を登って行くと、道は狭くなる
少し行くとまた広くなり、さらに右手へカーブして行く。
左手角には、 1台のベンチ が置かれている。
もうベンチに座ることはない。
さらに右手へ、小石の多いゆるやかな傾斜をひと登りすると、霧島連山最後の中岳山頂に着く。

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