男山に惹かれる・傾山 [ 1602.2m ]
杉ヶ越分岐〜傾山(25分)
道標には、直進して「傾山」右折して「杉ヶ越」と案内されている。
ここで一息つき直進していく。
道は、後傾の右手南斜面の方から山頂に向かって付けられている。
道はゆるやかに登りはじめ、すぐ傾斜を増し左手へカーブし後傾の斜面に取り付く。
すぐ、正面にナイフを入れたような岩が目に入る。
その岩の手前から
右手へ岩場を登る
。
ここにはロープはない。
しかし、幸い右手に手すりのように木の根が波打って伸び、難なく登りきる。
ロープは登りきったところに付けられている。
右手は切れ落ち、用心する。
しかし、樹木に危険を感じるほどではない。
さらに左手へ岩場を登っていく。
岩の多い急坂が続く。
そして、左手へさらに岩場を登る。
そこには
太めのロープ
がつけられ、ロープを手に登るがロープが短い。
足元の1本の木の根をまたぐのももどかしい。
足元は滑りやすく、ロープをはずすと同時にすぐ先の岩に手をあて登っていく。
さらに急坂を登る。
数メートル登ると左手に展望が開け、祖母山へ至る雄大な光景に感嘆の声を抑えきれない。
目を下ろすと、高度感にゾッとする。
震えがくる前に、右手へ急坂を登っていく。
少し登ると、正面にコブをつけたような年代を感じる老木を見て登っていく。
この辺りはドウダンツツジも見かける。
さらに岩の多い道を登っていく。
岩壁をひと登りすると、道は二手に別れ左手へ数メートル行くと正面に本傾の
圧倒されるような断崖
を目前にする。
道は、元の分岐に戻ってもいいし右手へ登ってもいい。すぐ道は一緒になる。
さらにひと登りして岩壁を登ると後傾の頂に立つ。
目はすぐ左て本傾の断崖へ向いてしまう。
少しばかり下り、また数メートル登るとまた左手に目がいく。
これも山水画に見るような光景を目前にしては仕方がない。
さて、いよいよ目的の本傾を目指す。
すぐ急坂を下っていく。
すぐ、道は二手に別れ左手に数メートル行くと、正面に
屏風のような岩
に出会う。
この岩の上からも、本傾の展望が得られる。
この岩を越え、本傾へ行く踏み跡もあるがここは危険、元の分岐へ戻るが無難。
すぐ左手へ左右に大きな岩を見て急坂を下っていく。
さらに大きな岩を巻いて左手へカーブしていく。
この辺りは、これまでとは違った雰囲気が漂っている。
途中段差を下り、右手に
寝そべったようなリョウブの木
を見て、左手へカーブし登っていく。
腰を落とし倒れ掛かるような幹をくぐりながら、左手へカーブして行くと、正面にナイフでカットしたような
四角い岩
が目に付く。
岩の右手を登れば、T字形の分岐に出る。
岩の手前から左手に分岐する薄い踏み跡も見る。
この踏み跡をとり、三差路を左手に行けば屏風のような岩へ通じる。
この道はとらず、T字の三差路を右手に取り少し行くと、後傾と本傾の巨大な岩峰の間に展望が開ける。
右手本傾の
断崖絶壁
には絶句してしまう。
すぐ左手に大木を見ると、右手へ折れ岩場を登る。
岩場の手前にも薄い踏み跡が付けられ、どちらを登ってもいい。
急坂を登ると、すぐ急坂を下っていく。
急坂は滑りやすく、両脇には薄い踏み跡が付けられている。
下りきると三差路に出会う。
ここには道標が立てられ、右手へ「大白谷(冷水)」、直進を「傾山頂」と案内され、右手に気持ちのいい道が蛇行し伸びている。
左手に2峰の間に広がる展望を見ながら、直進しゆるやかに登って行く。
道は、すぐ
二手に分かれる
がどちらを行ってもいい。
左手に、折れた松の木が目に付く。
急坂を2分も登れば、さらに
分岐
に付く。
ここにも道標が立てられ直進を「三ッ坊主 三ッ尾」と書かれ、九折登山口へ通じる。
左手に「傾山頂へ 10m」と案内され、左手へ登っていく。
正面には、古代の遺跡のような、自然のものとは言い難い光景が現れる。
左手には祠も見る。
その古代遺跡の石塔のような岩の左手から、岩を登り狭い岩の隙間を下りると
中庭のような山頂
に着く。
傾山は、和と洋の景観が調和して自然に溶け込み、まったく違和感はない。
山頂中心部には山頂標が立てられ「傾山頂 標高1602.2M」と書かれている。
山頂標のそばには、国土地理院の二等三角点の石柱や木柱も立てられている。
国土地理院の地図を覗くと、山頂は東側「宇目町」と隣接してわずかに緒方町にぶれている。
山頂は東西に長く、正面の岩の手前から右手へ下りさらに岩場を行くと、九州有数のダイナミックな絶景に感嘆する。
祖母山に立って「傾山への稜線を辿ろう」と、絶景に取り込まれ決意した気持ちが、ここで再び湧き立つ。
足元から端を発した稜線は、幾山も越え薄れてくる。
その奥に、東の雄祖母山が羽を広げた鳥のように美しい輪郭を形どっている
目を引くと、足元から切れ落ち数百メートルもあろう高低差に、足から力が抜け体は宙に浮いてしまう。
振り返ると、山頂を形どる
岩塊に五葉松がぴったりと寄り添い
、掛け軸にそのまま複写して
余りある
五葉松の名は、一般に針のような松の葉が2本で1対になっているが、五葉松は5本あることからこの名が付いたという
かけがえのない景観に時の流れを忘れ、空腹の腹まで満腹にさせてくれる
そして、アケボノツツジが満開する春、再びこの山頂に立てばいい。
毎年4月下旬には山開きが開催される。