女性の歴史を包む秘境・五葉岳 [ 1570m ] ・お化粧山・お姫山・乙女山
五葉岳〜登山口(60分)
分岐から2、3分も登ると岩場になり、道はその岩場を越え下っている。
岩場のすぐ下に道標が立てられ、「兜巾岳 夏木山」と案内されている。
五葉岳山頂は右手岩の上にある。
山頂岩の上に立つと、これまた素晴らしい展望に恵まれる。
正面北側には傾山が一望でき、祖母山へ伸びる稜線が美しい。
目を引くと頭巾山が惜しみなく全容を見せている。
時間があれば、頭巾山を経由し大吹登山口へ向かってもいい。
右手には夏木山が、後ろに振り返ると南側におだやかな大崩山、その右手手前にお姫山、すぐ右手に
鹿納坊主の2峰
が望まれる。
山頂には山頂標の支柱が岩の割れ目に立てられているが、文字板ははずれ岩の上に置かれている。文字板には「五葉岳 1570M」と書かれているが、その文字板は、風が吹けば飛んてなくなりそうである。
その隣には、三等三角点の石柱が立てられている。
さて、待ちに待った昼食は、山頂岩場は狭く岩場を降り左手へ岩場を登ると、右手に傾斜はしているが平べったい岩があり、そこに腰を降ろすことができる。
その岩の上で、木内岳や大崩山を見ながら昼食をとってもいいが、アケボノツツジの時期は瀬戸口谷分岐でゆっくりと時間を費やしたがいい。
五葉岳山頂を楽しんだら、後髪引かれる思いを断ち切るように岩場を降りる。
そして分岐へ戻り、右手西側へ
倒木をくぐり抜けていく
。
ほぼ平坦な気持ちのいい道を少し行くと、踏み跡が薄くなる。
「西側へ」を念頭に少し行くと、道ははっきりしてくる。
斜面の道をゆるやかに下って行くと、左手に倒木が根株を起こしている。
さらに傾いた幹をくぐって行くと、山頂直下から急坂を下ってきた道と出会う。
そこは、斜面が崩壊したように岩が多い。
左手に木の枝が切り取られ、その小口がラッパのように口を開けている。
右手に巻かれた赤いテープを見てゆるやかに下っていく。
左手に目を向けると、
お姫山は後方に遠ざかってくる
。
道は小さなアップダウンを繰り返し、西側へゆるやかに下っていく。
斜面に付けられた道は狭いが、歩きやすい。
倒れ掛かった幹をくぐり、ほぼ平坦な道を行くとヒノキ林になる 。
道沿いには、黄色や赤・白のテープがヒノキの幹に巻かれている。
そして倒木をくぐっていく。
その倒木をヒノキが受け止めている。
道は、少し傾斜を増して下っていく。
ヒノキ林の中には、大径の松の木が多い。
松の木は、何故か伐採せず残してあるようにも見える。
大きな松の木
を見て、すぐ左手へ鋭角にカーブし下っていく。
道には、ヒノキの葉や小枝が切り落とされて厚く積もり、フカフカとしたクッションの感触が足に優しい。
下りは距離を稼ぐのが目的のように足早になる。
しかし、ヒノキの切り株も多くつまずきかねない
辺りに広がるヒノキ林は、物差しをあて線を引いたように整然と幹を立てている。
しかし素人の思いではあるが、間伐の時期を迎えているようにも思える。
間伐された後は、見通しがきき気持ちまで開放される。
さらにヒノキ林の中をゆるやかに下っていく。
誰がつけたのか、足元の白骨化した小さな根っ子に赤いテープが巻かれている。
赤いテープは、幹や切り株にも付けられている。
辺りには、切り倒されたヒノキが目立ってくる。
道は傾斜を増しジグザグに下っていくと、なんとなく明るくなり展望が開けてくる。
腰辺りの高さで、切られた幹に青いテープを見て、左手へ鋭角にカーブし下り、さらに、正面に赤いテープを見て右手へカーブしていく。
少し下ると、左手に立て札が立てられ、振り返ってみると登山道以外は通行禁止と書かれている。
この先危険(ヒノキ造林地)
登山道以外 通行禁止 登山道についても十分注意して通行してください。
ここから伐採地を下っていく。
しかし、踏み跡がはっきりしない。
広い伐採地にどこを通り下っていいのか迷ってしまう。
遠くに目を向けると、山腹に洞岳登山口に通じる林道が走っている。
少し左手に目を移すと、広い空地に青い作業小屋が目に付く。
大吹登山口はその手前にあり、念頭においていたほうがいい。
さらに目を引くと右手に網が張られ、その網を目線で追って下りきったところを目指す。
この網は、鹿による食害対策として張られている。
伐採地は、コケが多く土は滑りやすい。
足元のコケに気を使いながら、左手に大きな松の木を見て下っていく。
そして、右手網に近づいてくると踏み跡がはっきりしてくる。
下りきると、直進して落ち葉の道を行く。
振り返ると、切り株が整然と並んでいる。
落ち葉の道を少し行くと、正面に赤いテープを見て左手へ急坂を下る。
直進すると、斜面が崩落し危険。
正面に大木を見て、右手へ
涸沢の方へ急坂を下っていく
。
道は小石が多く歩きづらい。
赤いテープを見て、右手へカーブしていく。
踏み跡ははっきりしない。さらに赤いテープを見て左手を見下ろすと、岩ばかりの沢が流れている。
足元の小石は落ち葉に変わり歩きやすくなる。
しかし、落ち葉の道は踏み跡がなく、
赤いテープだけが目印
となる。
静まり返った落ち葉の道に、左手涸沢の方からけたたましい音が聞こえてくる。
見ると、お尻が白い大きな鹿が2頭遠くへ逃げていく。
五葉岳山域には鹿が多い。
落ち葉の道は、次第に沢に近づいてくる。
左手には案内板が掛けられ、五葉岳への道を案内している。
すぐそばにも案内板が掛けられ「お姫山コース」と書かれている。
落ち葉の道は踏み跡はまったく見られず、赤いテープを頼りに左手沢の方へ下って行く。
さらに沢へ近づくと、コケむした倒木が沢を越え頭上に倒れ込んでいる。
足元に、コケむした根っ子に巻かれた赤いテープを見て、その倒木の下を左手に沢を渡っていく。
右手には、岩の上に小石が積み重ねられている。
すぐ、右手へカーブし沢の左手を行く。
ここも踏み跡ははっきりしない。
すぐ、黄色いテープ小さな枝をくぐりゆるやかに下っていく。
ほぼ平坦な道を、沢渡って6、70メートルも行くと右手へ下り、さらに沢を渡り左手へカーブしていく。
少し行くと、左手に赤いテープを見てさらに大木に触れ、ゆるやかに下っていく。
ゆるやかに下って行くと、右手からも岩ばかりの涸沢が下り、目前の赤土の先で合流する。
道は、その赤土のすぐ手前から左手へ沢に降り、右手へ狭い斜面を行く。
ここは滑りやすい。
真上には黒いロープが張られ、手にしたがいい
沢を抜け10メートルも行くと大吹登山口に着く。
大吹く登山口には、大きな説明板が立てられ、鹿対策として国の事業が説明されている。
五葉岳登山口植生保全・再生対策事業
復元方法 五葉岳登山口周辺の像林地は、周辺環境を考え広葉樹を植栽した造林地、または」天然に更新した幼齢天然林でしたが、鹿の増加に伴い年々食害による被害のため樹木が枯死し裸地となりました。五葉岳登山口植生保全・再生対策事業は、この失われた植生を再生し、水源かんよう保安林機能の回復と公共的機能の高度発揮を目的とした、周辺環境に合致した美しい広葉樹の森を造ります。 具体的な方法は、鹿の食害対策として植え込み周囲に25m四方のネットを張り込み、その中に大きい苗木を4m〜5m間隔に植え付け、成林を図ります。ネットで囲んだ以外の部分は天然力を生かした方法で、成林した樹木の種子の下種により森林を作ります。 九州森林管理局 宮崎北部森林管理署
一息ついて、日隠林道を左手にとる。 右手は洞岳登山口へ通じる。
少し行くと、広い集材所に着く。
ここが伐採跡から見えた広場で、前方に作業小屋が立てられている。
左手には、4月最後の日曜日に行われる、五葉岳山開きに使われた祭壇が目に付く。
帰路は、集材所を横切り作業小屋を右手に見て日隠林道を帰る。
少し行くと、
左手に大吹鉱山跡
を見る。
延岡藩内には15を越える鉱山があったとされ、その一つ大吹鉱山は1627年、時の延岡藩主 内藤直純(53000石)のとき発見され、銅・錫・鉛等を産出1969年操業停止に至るまで実に340年間掘り進められたものだという。
ついでに、西麓に英国館がある。
英国館は、1924年、英国人実業者ハンス・ハンターが大吹鉱山の経営権を取得して、8名の英国人技師達の住まいとして建てたものである。
後に、町の手で鉱山資料館として整備されている。
2001年、施設は丸太を利用し日本建築と洋風建築を取り入れた建築学上貴重な建物として、国の有形登録文化財の指定を受けている。
日隠林道を、3、40分ほど歩けば登山口に着く。
帰りは、日之影駅温泉につかればいい。