自然林の尾根道を行く・小岱山 [501m]
観音岳 → 筒岳(約40分)荒尾展望所経由
ゆるやかな傾斜に付けられた木段を5段ほどを登ると観音岳山頂に出る。
観音岳山頂は、芝公園のように広い台地状になっており、登山者の格好の休憩場になり、寝たり転んだり自由に一時を楽しんでいる。
中央部には、
1600年記念碑
が建てられている。
これは、名僧俊芿律師が、ここに観音堂を建てた記念碑か。
山頂には道標も立てられ「筒ヶ岳:1.3km 丸山展望所:1.3km」と案内され、観音岳は丁度中間点に位置している。
右手には、九州自然歩道の案内板も立てられその奥にはなぜか、小さな花畑も作られている。
北側の一段下がった林の中には、
竹で作られたテーブルやベンチ
が置かれており、帰路にゆっくり休むといい。
観音岳
この観音岳は、小岱山山系の中でほぼ中央に位置しており、標高473mの高峰です。 鎌倉時代の名僧俊芿(しゅんじょう)律師が宋へ渡り、13年間の研学の後、再び帰山しここに観音堂宇を建立したことから、観音岳の名前がついたとされています。 観音岳の南西斜面真下には、唐渡岩(からといわ)と呼ばれる巨岩があります。この巨岩は、中国から俊芿律師の徳を慕って飛来したものと言い伝えられています。
<環境庁 熊本県>
気持ちのいい平坦な道を3分も行くと三叉路になる。 どちらを行ってもいい。
右手の道は、自然石が石段状に並べられ、その石段をよけるように踏み跡が付けられている。
ツツジを目にしながら、踏み跡をたどると日当たりのいい岩場に着く。
ここは、展望は得られないが意外と
落ち着きそうな空間
を成し、時間があればここで一息つくのもいい。
山頂は、ここを右手岩を見て岩の左手を行く。
この岩には、原稿用紙に俊芿について 「俊芿は仁安元年八月十日肥後国飽田郡味子庄に生まれ、名を不可棄(ふかき)と・・・後に養子となり・・・29歳にして宿願の墨摺山(小岱山)に入り正法寺を創設・・・」 等々書かれている。
すぐ、左手へ岩の多い急坂を数メートル下ると、気持ちのいい平な道になる。
平らな道を、途中
露岩
を見て1分も行くと岩が多くなる。
この岩道を登れば、
枯山水の庭園
を連想させる広場につく。
右手には、庭師さんが自然の美を求めて配置したように岩が座っている。
ここが「七峰台」と呼ばれるところで、岩の奥には七峰台の説明板が立てられて、文字通り7峰が展望できる事からこの名がついたとある。
展望は北から東の方にかけて展望が得られ、説明板に書かれているとおり、素晴らしい展望に満足する。
さらに、左手北側の岩の上に立てば、荒尾展望所も確認できる。
七峰台
ここは、小岱山。一の見晴らし場です。 晴れた日には、西に有明海を見て雲仙岳・多良岳、北に権現岳・釈迦岳・英彦山東南には阿蘇山と金峰山の山々が一望できることから、この名が付いたと去れています。
<環境庁 熊本県>
山頂は、右手へ岩場を下るとすぐ平坦な道が伸びる。
道沿いには、ツツジが植えら所々にドウダンツツジも目に付きツツジロードと呼ぶにふさわしい。
ドウダンツツジは、春になるとスズランのような花を咲かせ、秋になると真っ赤に紅葉し彩りを添えてくれる。
平な道を少し行くと、右手岩をよけるように伸び、さらに平坦な道は続く。
道は狭いが実に気持ちがいい。 一歩一歩を楽しみ、山頂を目指したい。
七峰台から3〜4分行くと、道はゆるやかに登りだし10メートルほど下って行くとY字状に分岐する。
分岐手前の右手には、
標柱
が立てられ「玉名温泉:6km 四ツ原:5.2km」と案内されている。
正面には、「筒ヶ岳:0.8km 観音岳:0.4km 荒尾展望所」と書かれた道標が「小岱山森林公園整備連絡協議会」の名で立てられている。
分岐を、右手筒ヶ岳へ行く前に左手へ直進し、荒尾展望台へ行ってみる。
展望台へは、50mと手書きされている。
展望台へは、平坦な道が伸びている
。
道は狭く、道沿いにはツツジが多い。
1分足らず行くと、右手に標柱が立てられ、直進して下れば「府本登山口 樺登山口」と案内されている。
すぐ右手正面に吾妻屋がある。ここが
荒尾展望所
である。
中に入ると、西側に展望が得られ、眼下に広がる府本の田園風景が一望できる。
目を上げると、天気がよければ有明海を越え雲仙普賢岳を仰ぐこともできる。
左手眼下に目を移すと誕生寺奥の院の日本一と言われる五重の塔が目に入る。
奥の院には、有明海を越え島原まで鳴り響くと言われる世界一の大梵鐘や、九州一高いと言われる仁王尊像に驚かされる。
奥の院は毎年11月3日の秋の大祭には横綱の土俵入りを奉納することでも知られる。
ここにはベンチも置かれ、ここで体を休め筒ヶ岳への厳しい階段の登り下りに備えたがいい。
ここで一息ついたら、分岐へ戻る。
分岐から、道標に従い左手へ下っていく。
すぐ、擬木の階段が待ち構える。
20段ほど下ると右手へカーブし、33辺りで左へと蛇行し70数段を数えると、少し途切れさらに25〜6段を下れば鞍部に着く。
全部で100段足らず数える。
鞍部はわずかではあるが風の流れを感じる。
100段下れば、帰路には100段登ることになるのは当然で、気にならないはずがない。
階段は休むまもなく、すく登り返し25〜6段を数える。
内2〜3段の石段もある。
さらに
階段
は続き、視界から消えるほど遠く高く伸びている。
しかし、登らなければ山頂へは到達しない。
一段一段辛抱し登っていく。
階段は、無理せず何度でも足を休め登ったほうがいい。
休めば、森に遊ぶ小鳥のさえずりが聞こえてくる。自然の不思議に出会うこともある。
休めば森に漂う神秘な香気に心落ち着く。
階段は100段近く数える。
この階段の左手には脇道もある。
階段を登りきると、傾斜はゆるみ赤土が剥き出しの道になる。
ここを過ぎると心地いい平坦な道が続く。
右手に岩を見て、右手へゆるやかにカーブしていく。
平坦な道を少し行くと、左手に四角い案内板が立てられ「樹木を大切に 花木の枝を折らないように」と書かれている。
案内板を過ぎると、道は表土が雨水に流されたようなU字状のミゾ道になる。
両脇には、シダが密生しミゾ道の底は、砂粒が固まったような、柔らかそうな岩が雨水に洗い出されている。
側面は、雨水に削られ木の根もむき出している。
ミゾ道は、雨後は滑りやすい。
途中平坦な道を提供してくれるが、すぐ滑りやすくなり、
コケむした岩
が取り残されている。
ミゾ道を左右に蛇行しながら2〜3分も行くと、傾斜はなくなり狭い尾根筋を行く。
平らな気持ちのいい尾根筋を行くと、長い階段で疲れた足も、次第に疲れは引いてくる。
歩きやすい道を、1〜2分も行くとゆるやかに登りだす。
道は次第に傾斜を上げ左手へカーブすると、少し下り始めすぐ平坦な道になる。
さらに右手へカーブすると、また登りだす。
道には、
木の根
が横切り、階段代わりに登っていく。
さらに左へカーブし、少し下り分厚い落ち葉の道を登って行く。
ゆるやかな登りを左手へカーブすると、傾斜はなくなり、気持ちのいい道に一変する。
サクサクと足元から聞こえるリズミカルな音に、調子よく快適に歩を進めていく。
同じ落ち葉の音でも、登りと下りでは異なって聞こえ、下りに聞く音がいい。
辺りは、見渡す限り自然林ばかりで、フィトンチッドの効力なのか、深呼吸すると心落ち着き、疲れを忘れる。
すぐ、右手に標柱が立てられ「玉名温泉:7.3km 四ツ原:4.7km」と書かれている。
ここを少し登り10メートルほど平らな道を行くと、5〜6段下り鞍部に着く。
左手には、丸太の一本橋のように、枯れ木が倒れている。
鞍部は、
V状になっており下るとすぐ登りだす
。
22段ほど数えるころ、左手へカーブさらに16〜7段で登りきる。
道は右手へカーブすると傾斜を緩めてくれる。
すぐ左手には、筒ヶ岳の説明板が立てられ、その奥にどんぐりを大きくしたような形の、
大きな岩
がドッカリと座っている。 この岩は、財宝を隠した井戸の蓋石だったとの伝説が説明されている。
平坦な道をさらに10メートルも行くと山頂広場に着く。
筒ヶ岳の巨石
この巨石は、財宝を収めた底なし井戸の蓋石と伝えられており、筒ヶ岳落城の折、大判小判が敵の目をかすめて隠されたとの伝説が残っています。巨石には、郷土出身の大学者 月田蒙斉(もうさい)の「小岱山に登る」の詩が刻んであります。
<環境庁 熊本県>