権現山を登る・洞が岳 [997m]
展望岩 → 山頂(約25分)
さらに数メートル下り、左手へ2〜3メートルの壁を用心して降りる。
すぐ登りになり、右手へ登ってもいいが踏み跡は薄い。
左手へ登るとすぐ岩場に登りきり絶好の展望所に着く。
そこには祠が安置され、右手には「山神」と刻まれた石柱が立てられている。
岩の上に立つと、北側に砥用町の田園風景や緑川ダムが眼下に一望できる。
左手は、洞ヶ岳が見える位置にあるが、手前の峰で見ることはできない。
視界いっぱいに広がる絶景を見ていると、疲れは一掃され、いつの間にか絶景の中に吸い込まれ、一瞬我を忘れさせる。
この岩場には、形のいい
アカマツ
が絵のように展望を飾ってくれる。
足元を見ると、深く切れ落ち足元をしっかり見て移動する。 展望を楽しんだら、三叉路に戻る。
三叉路を数メートル直進すると左手に「権現山山頂」と書かれた
立て札
が立てられている。
ここを少し登って行くとまた急坂になる。
薄暗い道を左手に、渦巻くように岩を巻いた根を見て登っていく。
道には、木の根が多い。
右手には、大きな木が頭上に幹を伸ばしている。
急坂を登り太い根のある段差を登ると、左手にも大きな木が幹を立てている。
すぐ先には、枯れた倒木が横たわっている。
道には、9月の台風の影響か小枝や青い葉が散乱し、道を分かりにくくしている。
しかし、時が立てば登山者の足で踏みならされ。
右手には、
2本のヒメシャラ
が申し合わせたように並んで幹を伸ばしている。
こんな薄暗い所に花を咲かせて見えるのか、気にかかってしまう。
少し行くと正面左手に2本の幹に目がいく。
左手の太い幹には空洞ができている。
時間を割いて、1本1本の木々に目を向けると、なかなか味わい深い様相をしている。
自然林の急坂を登って行くと、正面には周囲を空け記念樹のように、1本だけ赤い塗料をつけ幹を立てた木が目に止まる。
見て飽きない道は、疲れも感じない。
実は、足元より周囲に広がる自然の変化に目を向け、自然の不思議に感嘆したほうが疲れは少ない。
しかし、足元の急坂がこれを許してくれない。
さらに登って行くと、道には階段状に無数の根が張り出してくる。
左手に、コケむした岩を見て木の根を滑り止めに登っていく。
さらに1メートルほどの根の段差を登る。
左手の木は、幹を地面に摺りつけ途中から幹を立てている。
少し行くと左手には、直径が1メートルもあるような大きな木が幹を立て、耳をあてると何かが聞こえてくる。
1分足らず行くと、道沿いの左手に、ヒメシャラが傾き株を起こしている。
このヒメシャラの根に助けられ右手へ
急坂
を登っていく。
このヒメシャラの正面には、立ち入り禁止するように白いテープが張られている。
1年前このヒシャメラは傾き加減ではあったが、倒れてはいなかった。これも台風の影響か。
さらに左手へ急坂を登っていく。
1分も登ると、周囲になんとなく明かりが差してくる。
少し行くと倒木が道を横断して倒れこれをくぐり、さらに倒木を踏み越えて登っていく。
1分も辛抱して登ると目前が明るくなり三叉路に着く。
山頂は左手に道を取るが、右手へ数メートル行くとまた素晴らしい展望が得られる。
ここからも、砥用町の田園風景や緑川ダムを眼下に収めることができる。
山頂は、ここを引き返し三叉路を直進して行く。
道は歩きやすい。 しかし、また日は閉ざされ暗くなる。
展望から2分余り登って行くと、右手に「山頂まで:5分 人吉かめさん」と書かれた
案内板
が幹につけられている。
さらに薄暗い急坂を登っていく。
山頂まで5分の案内板を見て、山頂近しと気を楽にするがしかし急坂の5分は長い。
足の疲れは、その案内板を見て疲れを増したような感じさえする。
登山は人の足を借りて登るわけには行かない。
どれだけ疲れても、自分の足で登るほかない。
途中、山頂を焦らずしばらく足を休め、気を引き締め最後の急坂を登ると、案内板から4〜5分でやっと山頂に着く。
山頂は5〜6坪の平地がある。
ここで、腰を降ろし水分を補給し、楽しい昼食にすればいい。
山頂からは、あまり展望は得られない。
西の方に少し空け、茂見山が展望できる。
山頂広場の、南の方には茂見山への縦走路が伸びている。
北側には、樹間に砥用の田園風景が見ることができる。
さて、登山口へは往路を戻る。
戻りの道は、登路とは全く違った光景を目にするのは、洞ヶ岳の特徴でも有り、帰りを急がず岩と根っ子に用心し時間をかけて下ればいい。