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熊本県の山

砂千里ヶ浜を行く・阿蘇中岳[1506m]・高岳[1592.4m]

月見小屋〜高岳(50分) [ この区間の地図 この区間の高低図 ]

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足の疲れをとり展望を楽しんだら、今一度月見小屋に目を向け高岳東峰を目指す。
目は引きつけられるように天狗の舞台に向いてしまう。
石積みや木柱を見て東へ踏み出して行く。
右手には、石張りしたような地面にも目がいく。
この窪地にある石は、水にぬれると黒くなるが、乾くと美しい黄金色に変色し景色も変わってくる。
そして、黄色いコースサインをすぐ、石積みに立てられた木柱見て礫岩の道を行く。
踏み跡は、カンスゲを避けるように蛇行して伸び踏み固められている。
平らな道を100mも行くと、左手に真新しい木柱が立てられ、行く手を高岳東峰 後方を月見小屋と案内している。
少し行くと、ヤシャブシが多くなる。
この時期、まだ黒い実をたくさん残している。
道沿いにある木柱を見て目を上げると、巨大なおもしのような天狗の舞台が目を引く。
そして、いよいよ東峰・天狗の舞台に向け灌木の中へ分け入り、緩やかに登って行く。
灌木といっても、そのほとんどがヤシャブシで占められ、密生する小枝は衣類やリックの紐に引っ掛かり身動き取れないことがある。
灌木の道は、ミゾ状に深く切れ落ち真黒い土はさらに滑りやすい。
足場を見て一息つき、振り返ると灌木林の先に月見小屋が小さく見える。
さらに荒れたミゾ道を登って行く。
ミゾ道は、幾筋かに分かれてはいるが、行く手に危惧はない。
行く手を邪魔するような岩にコースサインを見て、さらにミゾ道を行く。
この時期、道沿いのカヤトは枯れているが、春から夏にかけてはもっと登りづらい。
ミゾ道は深く、場所によっては腰のあたりまでくる。
登りづらいミゾ道は滑りやすく、爪先に力を入れればその分疲れも多い。
一息つき、足の疲れをいやしながら左手へ振り返ると、月見小屋はさらに小さく沈み、小さな一歩でもずいぶん高度は稼いだ。
さらに、深いミゾ道の縁に登り、コースマークがついた岩を左に避け、さらにミゾ道を行く。
ミゾ道を辛抱して登ると、稜線上に道標を見つけて足は元気づく。
ミゾ道は次第に浅くなり、礫岩やミヤマキリシマが多くなると平べったい東峰に着く。
道標は月見小屋と高岳を案内している。
山頂をそのまま東へ進むと、目前に根子岳の全容が一望できる。
道標脇には、例の木柱も立てられ、高岳へ750m、月見小屋へ500mと教えてくれる。

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一息ついて、西の方へ足を向け、天狗の舞台へ行く。
すぐ登りだし、天狗の舞台に立つことができる。
舞台は岩上とは思えぬほど広く平らで、西の方に傾いている。
ここにもカンスゲが群生し、ここで待ちに待った昼食でもとればいい。
展望は四方に広がり、西には高岳へ伸びる主稜に目を向け帰路の道筋を追ってみる。
すぐ右手には、行儀よく1列に並んだ鷲ヶ峰を中心とした岩峰群が見える。
その中ほどに、10m余り直角に降りた小さな岩棚がさらに小さく見える。
ただ、ザイルをかけた、棒状の岩に巻かれた古いザイルは確認できない。
今となって見る岩稜に、過去を思い出すだけで年のせいか足は震えてくる。
そして左手反対側には、カンスゲが群生する窪地、火口原が一望できる。
さて、食事でもとったら引き返す。
少し下るとすぐ右手へ下り、さらに天狗の舞台を右手へ巻いて行く。
天狗の天狗に似た横顔を見て少し進むと、1列に並んだ 鷲ヶ峰の岩峰群 が目前に迫ってくる。
そして左手へ大きな傾斜を下って行く。
この辺りはミヤマキリシマが多く、南斜面は群生している。
大きな傾斜はすぐ下り切り、左手にはコンクリート柱と傾いた木柱が立てられている。
平成6年に来たときは、コンクリート柱も倒れていたが、その後誰かの手で立て直されている。
これから滑りやすいミゾ状の急坂を登って行く。
途中足を休めるついでに、天狗の舞台へ振り返ってみる。
そして右手へ眼を移すと、鷲ヶ峰の岩峰群が随分沈んで見える。
急坂を登り切り、今一度天狗の舞台に目を向け、西側高岳に向かって砂礫の道を緩やかに登って行く。
左手南側には、窪地を覆うカンスゲが群生する火口原が深く沈んで見える。
右手には、広大な阿蘇谷に広がる阿蘇市辺りが、山すそ野と交わりながら造りだされる田園風景に、人々の平和な暮らしの香りが漂ってくるのを感じる。
快適な砂礫の道を登って行くと、真正面に見慣れた木柱を見る。
木柱には、右手へ仙酔峡駐車場、左手に月見小屋、そして直進を高岳220mと教えてくれる。 この道筋には、いくつかのケルンが造られ、この木柱の脇にも作られている。
ケルンは、宗教的なものではなく、一般に登山道や分岐点となる目印や、そこに来た記念として造られているが、遭難者を弔うため造られる場合もあり、この場合道しるべにはならない。 左手眼下を見下ろすと、月見小屋は真横に見える。
少し登ると、正面目前に阿蘇最高峰の高岳が大きな山体を見せてくれる。
道は緩やかに下り、最後の登りにつく。
登りの道は、右手にも薄い踏み跡がるが、左手から登り右手へ巻けば高岳山頂に立つ。
高岳の展望は四方に広がり、阿蘇五岳が見渡せる。
西側には、ふんわりと湧き上がる白い噴煙や、東側には半分隠れた根子岳が展望できる。
根子岳中央部の、お釈迦様の鼻に似た天狗岩もうかがえる。 食事はここでとってもいい。展望に満足したら西側中岳へ向かって下って行く。

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溶けてただれたような礫岩の中に、足場を見つけながら下るのは容易でない。
踏み跡は、南側へも尾根筋を伸びる 。
正面西側に烏帽子岳・御竈門山その中間背後に俵山を見て下って行く。
目を引くと、火口から真っ白い噴煙が絶えることなく舞い上がっている。
下りづらい礫岩の斜面をジグザグ切って下って行く。
目を下ろすと、登路に取った踏み跡が見えてくる。さらに月見小屋へ向かう木柱も見えてくる。
そして、左手へ向きを変え下って行くと分岐に着く。
これを直進し、往路を戻ることとする。
途中礫岩のザレ場は慎重に下ることとしたい。また足に余力があれば西火口展望所へ足を伸ばし、火口に目を落とせばいい。
火口には淡緑色のお湯がたまっているが、これは溶岩から溶け出した鉄と銅によるものだという。
帰路時間に余裕があれば自宅へ直行せず、ドラマを思い浮かべながら各所にある温泉で体をいたわればいい。

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