大隈半島にそびえる・甫与志岳 [ 967m ]
展望分岐〜山頂(30分)
左手には、「展望所 危険足もと注意」と、高山三岳会の名で書かれた案内板が幹に掛けられ、道は左手へ分岐している。
ここは、T字に分岐し山頂は右折していく。
分岐を左手へ、小枝を掻き分けるように20m足らず進むと正面左手に展望が開けてくる。
岩場
に立つと南側に甫与志岳へ連なる稜線を目前に見る。
その斜面は、大半を植林地が占める。
岩場の先端はそのまま切れ落ち、足元を確認しながら稜線を左手へ追うと自然林が斜面を覆う。
山頂は、自然林の背後に位置する。
しかし、自然林の中には無残にも白く変色し、立ち枯れ白骨化した木が多い。
展望を楽しんだら分岐へ戻り、左手に案内板を見て北側へ直進し林の中へ踏み込んで行く。
少し登るとまた傾斜を増してくる。
道は、ミゾ状に窪み草木が道を狭めてくる。
草木の中には野バラも生え、トゲにズボンを引っ掛けてしまう。
少し登ると、正面樹間に白骨化した立ち木が見えてくる。
白骨化した木を見ると、残念ながら自宅庭で
白骨化した庭木
を思い出す。
さらに根っ子の段差を登り、急坂を行く。
歩きづらいミゾ状の道に目を取られながら登って行くと、右手から伸びてきた幹に突き当たってしまう。
幹は途中で切られているが、打ち所が悪いと山頂は遠ざかる。
ミゾ道が終わると
右手に案内板
が掛けられ「がんばれ あと10分」と書かれている。
この10分に気は楽になる。
さらに土の段差を登って行くと、倒木が道をふさぎ左手から右手へ鋭角にカーブし登って行く。
すぐ右手樹間に、幾重にも重なる大隈の山々の稜線が望まれる。
一息ついて、さらに草木が生い茂る道を登って行く。
途中倒木を踏み越えていく。
倒木は輪切りにされ、切り落とされている。
そして右手へカーブし大きな傾斜を登って行く。
ほとんど隠れてしまった草木の道を、足で掻き分けるように登って行く。
しかし、道がはっきりしなくても迷うような不安は生じない。
草木の道を掻き分け、2本の枯れた立ち木の間を抜けて行く。
さらに、右手に展望を見て倒木の段差を登って行くと、右手にまた白骨化した立ち木が目を奪う。
土の段差を登り、浮いた根っ子につかまり、左手へカーブし粘土質の滑りやすい急坂を登って行く。
そして草木を掻き分け、倒れ掛かった幹をくぐって行く
左手には、何本もの枝をくねらせ
コブ
を付けた木に目がいく。
もう山頂は近い。そんな想いに気持ちは支配されるが、傾斜は大きく歩幅は伸びない。
山頂まで10分と書かれた案内板を思い出すが、山頂を意識する余りか10分は長い。
少しばかり焦りを感じながら、右手に紅白のテープを見て急坂を登って行く。
そして正面に巨大な岩を見ると、右手に「二俣キャンプ場」と書かれた案内板に目がつく。
道は左手に折れ、山頂へ伸びる。
すぐ右手へ目を向けると、岩場に鎖が付けられている。
その鎖を手に登ると、左手の巨大な岩の窪みに数体の石仏や石碑がある。
そして、鎖を手に元に戻り、直進し下って行く。
少し下ると歩きやすい道が伸び、山頂を巻くように時計回りに右手へカーブして行く。
左手には、ヒメシャラの木が目を引く。
少し行くと正面に、
後ろ向きの道標
が見えてくる。
道標には「岩屋集落へ」と書かれ、左手へ分岐し下っている。
さらに直進していく。
道はゆるやかに登りだし、4〜5m行くと枯れた立ち木に古い案内板を見る。
道はさらに傾斜を増し、右手へカーブし登って行く。
少し登ると、道をふさぐような岩棚に差し掛かり、ロープを手に登ると正面左手に道標が立てられ「黒尊岳」への道を案内している。
道標を見て右手へ少しばかり登ると難なく
山頂
に立つ。
山頂は巨岩の頂にあり、たくさんの山頂標が立てられている。
展望は、北側から南側一帯に得られ、大隈の山々が一望できる。
南側眼下には、岸良の集落と漁港が、その背後に果てしない太平洋の大海原が広がる。
山頂岩場を先に進むと、右手に黒尊岳へ連なる美しい稜線が視界に広がる。
甫与志岳は、国見山・黒尊岳を合わせ三岳と呼ばれ、三岳の中で最も高い標高を持ち三等三角点が置かれている。
この三岳にはそれぞれ祠が安置され、三つの祠をまわれば「妻をめとる」と言われ、三岳縦走に若者を引きつけたと伝えられている。