福岡無名山を行く・前門岳 [ 921.7m ]
下ノ城址 → 山頂(所要時間:約10分)
道は傾斜を増し、少しばかり辛抱して急坂を登ると未舗装の国有林道に出会う。
林道からも同じような展望が得られ、深く深呼吸したくなる。
山頂は、林道を右手斜めに横切ったところに、小さな同形の道標が立てられて山頂への道を案内している。
左手へ林道を10数メートルも進み右手を見ると、斜面が崩壊しヒノキ林の中に土石をさらけ出している。
自然災害を人の力で止めることはできない。流れ出した土砂は元に戻すことは考えられず、路上の土砂を排除するだけが精一杯である。
人の力は無力で、崩壊現場を見てむなしく思うだけがなおむなしい。
ただ、ただ災害を誘発するようなことだけは控えたい。
さて、元の位置に戻り
足元に道標
を見て、林の中へ踏み込んでいく。
道標には「50分」と書かれているが、山頂まで50分は要しない。
道には、相も変わらず小石が多い。
辺りを見回すと、すでに伐採期を迎えたような
大きなスギ
が点在する。
左手に伐採した切り株が目に入る。
見たついでに年輪を数えてみると、50ほど数える。
年輪は、今から10年ほど前は非常に狭く密集しており、寒気にでも襲われたのかわからない。
ついでに、年輪の幅は温度にも影響されるというが、南北の差も見られない。
すぐ、小石を敷き詰めたような場所に出る。これが道と思えない。
ここには元々古道があって、表土が雨水に流され地中の小石が取り残されたと聞くが、それにしても多い。
足をとられないように小石の道を行く。
小石の道には、踏み跡を捜すことはできず、初めて通る人は不安を抱えてしまう。
少し行くと、右端の
黒い土に薄い踏み跡
を見る。
その小石も次第に少なくなり、歩数を重ねるたびに土道に変わる。
土道に、登山者の踏み跡を見て不安は消え、足は軽くなる
土道は、ゆるやかな傾斜で蛇行して伸び、山頂はまだか気になってくる。
土道を2、3分も行くと、道は左手へカーブすぐ右手へ鋭角にカーブし登っていく。
7、8メートルも登り、さらに左手にカーブする。
右手斜面を見上げると、樹間のわずかな隙間に遠く青い空が目に写る。
さらに20メートルもゆるやかに登って行くと、右手へ鋭角にカーブしゆるやかに登っていく。
そこには
丸太木で路肩が補強
されている。
土道は石道より歩きやすい。
しかし、10メートルも登ると左手へカーブし傾斜は増し、息も荒れてくる。
道はさらに傾斜を増し、急坂を行く。
道には古い切り株が目立ってくる。
右手へカーブすると、天井が開け振り返ると視界に展望が広がる。
一息ついてさらに急坂を登っていく。
さらに数メートルごと左右ジグザグに登っていく。
急坂に息は荒れ、踏み出す一歩が重い。
展望を見て2、3分急坂を登ると、左手に1坪ほどの空地を見る。
山頂は右手、しかし足は左手へ向きつい休んでしまう。
ここからも展望が得られ、時間を費やしてしまう。
この空地から山頂まで7、8メートル、思い切って踏み出していく。
すぐ下りだし、平らな道を行く。
道には落ち葉が積もり、足に優しい。
少し行くと正面が開け、ひと登りすると山頂に立ち無名山との競演は終わる。
山頂周囲は、樹木が切り倒せられ素晴らしい展望に疲れは一掃される。
正面北東側には、釈迦岳と御前岳の稜線が美しい。
右手の方には九住山が、さらに右手へ目を引くと酒呑童子山が一望できる。
西側は、ピークに生える林で展望は得られない。